総研大 先端学術院先端学術専攻 物質構造科学コース

修了生の声

◆2022年度博士号取得修了生

三木宏美(課程博士)

私はもともと外来や訪問診療を行う歯科医師であり、物質構造科学専攻の5年一貫制博士課程に入学するまで、ユーザーとして放射光施設を利用したことはおろか、加速器や放射光についてもあまり知識がありませんでした。しかし、物質構造科学専攻にはそんな学生を受け入れる懐深さがあり、少人数の授業で基礎から徹底的に学び、最先端の実験の現場で自身を鍛えることができる環境が揃っています。新しい分野に挑戦することは勇気がいることですし、時に人よりも大きな困難にぶつかることもあります。ですが、それ以上にこれまで得た知見を応用したり、別の視点から研究を見ることができることは大きな利点だということを学べた5年間でした。自分の研究の幅を広げてみたいという方には最適だと思います。

熊木文俊(課程博士)

私は物質構造科学専攻の博士後期課程において、KEKの放射光実験施設フォトンファクトリー(PF)で研究を行いました。主な研究テーマとしては、放射光とレーザーを組み合わせて光反応を観測する手法の開発に取り組みました。本専攻の特長の一つは、放射光施設を基盤とした新しい装置や測定手法の開発を行うのに非常に恵まれた環境であることだと思います。放射光実験施設に実際に腰を据えて、装置の改良や手法の検討を重ねながら、研究を行えたことは私にとって貴重な経験となりました。また、共同研究を通して、放射光施設を利用する様々な外部の研究者の方々と交流することも出来ました。放射光を用いた研究に興味がある方はぜひ、本専攻への進学を検討していただけたらと願っています。

◆2021年度博士号取得修了生

鈴木雄太(課程博士)

私は材料の計測データの解析に機械学習を応用する研究に取り組んでおり、他大学で修士号を取得後、物質構造科学専攻の博士課程に3年次編入しました。物質構造科学専攻は、PhotonFactoryをはじめとした実験施設で日々大量のデータが生み出される最前線であることに加え、教員の先生方には検出器やデータ解析技術の専門家が数多く在籍するなど、私の研究には理想的な環境でした。また、学内に多彩な専攻を擁し、専攻を超えた学びの機会があることも総研大の特色であり、私も統計数理専攻の皆様には講義に議論にと大変お世話になりました。総研大および物質構造科学専攻は、研究者を目指して腕を磨きたい方にはぴったりの環境だと言え、ぜひ勇気をもって飛び込んでほしいと思います。

◆2021年度博士号取得修了生

于 宏洋(課程博士)

学部生までは膜タンパク質の遺伝子解析を行ってまいりましたが、タンパク質の機能をより詳しく理解するには構造生物学の理解が不可欠であると実感したことから、修士課程から物質構造科学専攻に進学しました。在学中では、タンパク質の立体構造解析と生化学的解析について積極的に学ぶことができ、さらに「SOKENDAI研究派遣プログラム」を通じて、アメリカのシンシナティ大学で3ヶ月間、世界最先端のガン研究について携わることもできました。将来研究者を目指し、自立して研究を進めていこうと考えている方にとっては素晴らしい環境だと思います。

◆2020年度博士号取得修了生

亀沢知夏(課程博士)

総研大の物質構造科学専攻は学生数に対して教員が非常に多い環境のため、様々な分野の研究者の方からアドバイスをいただきながら研究を進めることができました。さらにSOKENDAIの研究派遣プログラムを通じてアメリカのマサチューセッツ総合病院(ハーバード大学関連病院)で研究を行い、総研大の特別研究派遣制度により東北大学多元物質科学研究所でも研究を実施することができました。また総研大本部のイベントで出会った学生は研究者を目指す人が非常に多く、その後も連絡を取るなど刺激を受けています。ここでいただいたご恩を忘れずに研究を続けていきたいと思います。

◆2019年度博士号取得修了生

河田 剛(論文博士)

一般企業で働きながら学位取得を志す方は少なからずいらっしゃると思います。私もそのような企業研究者の一人でした。幸いなことに私は、学会や研究会で出会った教官に博士論文の指導をいただけることになりました。また、職場の方々の理解を得て、論文審査に至ることが出来ました。社会人であり、子どもが生まれて間もなかったので、論文執筆は通勤電車内や子どもが寝た後に限られ、論文審査への道のりは決して平たんではありませんでした。審査の際のコメントによる気づきは大変貴重で、研究内容を深堀りする楽しさを経験することが出来ました。このような機会を与えられたことに感謝し、先生方や職場、そして家族に支えられながら取得した「博士号」に恥じない研究者になれるよう、今後も精進します。

◆2018年度博士号取得修了生

宮澤徹也(課程博士)

博士後期課程から総研大の物質構造科学専攻に編入しました。フォトンファクトリー(PF)で実験や放射光を用いた解析などを行いました。教員の方々との距離が非常に近いので、指導教員以外の教員にも研究についてのアドバイスや質問を気軽に行うことができるのがPFの良い点だと感じました。また、他大学の教員の方々がPFを利用しに来られるので様々なつながりを持つこともできます。総研大への進学を考えている皆さんも、研究を行う上で自分がどのような環境に身を置きたいのか、明確にしてから進学されると有意義に過ごせると思います。

PUSPITA Widya Rika, TAN Zhijian(課程博士)

I major in Materials Structure Science and my research is to investigate the crystal and magnetic structure of the materials by the neutron scattering technique. During my doctoral course, I gain solid training on both the theoretical and experimental aspects of modern neutron science at a world-class institute. I would like to give my hearty thanks to all the faculty members for their patient instructions in various courses and their precious suggestions for my study here. I also would like to express my deep gratitude to Sokendai for providing support in my study and life. The time in Sokendai will be treasured memory for me. I will contribute my knowledge and skills to the science in future. (TAN, Zhijian)

◆2017年度博士号取得修了生

松原 永季(課程博士)

私は物質構造科学専攻に編入学する前には業務としてフォトンファクトリー(PF)を利用していましたが、入学後の研究では以前よりも多岐にわたる分析手法を用いることで、さらに詳細にタンパク質の機能・構造解析を行うことを学びました。博士課程在学中は決して順調とは言えない過程をたどりましたが、先生方をはじめ研究室の皆様にご指導いただきながら、なんとか博士号取得に至ることができました。また、総研大本部主催の授業に参加することで専門分野を超えた学際的な知識に触れることができ、今後の研究生活を考える上でも非常によい経験となりました。自分次第で多くの経験が可能になる豊かな環境でしたが、今後ともこの経験を活かし、積極的に研究生活を送っていきたいと思います。

◆2016年度博士号取得修了生

井上 圭介(課程博士)

私は研究テーマとして放射光利用実験において威力を発揮する新規X線検出器の開発に取り組みました。放射光による評価が必要となり、物質構造科学専攻において継続的にフォトンファクトリー(PF)を利用できたことが、とても大切でした。数日のような限られた利用期間のために、実験計画を立て先生方との密な議論を行ったことは貴重な経験となりました。普段でも研究者と研究環境が歩いて 行けるほどの距離に集結したキャンパスのおかげで、適切なタイミングに適切な支援を受けることができたことを実感しています。在学生ならびに入学生の皆様がこの利点を活かし、有意義な学生生活を過ごされますよう応援しています。

原田 彩佳(課程博士)

修士生までは外部ユーザーとしてフォトンファクトリー(PF)の実験装置を使用していましたが、博士課程から縁あって物質構造科学専攻へ入学しました。博士課程では、タンパク質の構造決定のための新しい測定手法の開発等、内部生ならではできる最先端の研究に携わらせていただくことができました。また「広い視野を備えた物理科学研究者を育成するためのコース別大学院教育プログラム」を利用し、3ヶ月間の海外留学も経験させていただきました。成果が出ず悩んだこともありましたが先生方や研究室の皆様に支えられ無事博士号を取得することができました。この経験を糧にして、今後も研究を続けていきたいと思っています。

◆2015年度博士号取得修了生

藤崎 布美佳(課程博士)

物質構造科学専攻ではJ-PARCやフファクトリー(PF)の実験装置が比較的自由に利用できます。また、実験方法について装置担当者と密にディスカッションすることにより、望んだ形に近い測定をすることができました。博士論文の研究では、中性子と放射光を組み合わせた元素選択的な構造解析により研究対象としていた物質の詳細な構造解析を行うことができました。物質の物性に関わる研究だけでなく、中性子や放射光の実験装置についても学べたことは非常に貴重な経験でした。紆余曲折ありましたが、先生方の丁寧なご指導と、素晴らしい研究環境のおかげでなんとか博士号を取得することができました。今後はこの経験を生かし、研究を続けていきたいと思います。

三町 博子(論文博士)

ほんの2、3年前までは、まさか自分が博士の学位取得なんて、考えもしませんでした。けれども、高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリー(PF)での共同研究をきっかけに、様々な研究機関や企業の方々と交流する中で多くの刺激を受け、チャレンジしようと思うようになりました。社会人の場合には、皆さん共通して会社の通常業務との並行に苦労すると思います。また、私の場合は博士論文の執筆そのものに関しても、企業用語と学術表現の違い、社内で当たり前の技術・現象・表現が場合によっては一般的ではないという認識のズレに頭を悩ませました。決して順風満帆な道のりではありませんでしたが、総研大の先生方のご指導、上司や同僚の理解、PFでの協働者の皆様のご協力に恵まれ、なんとかここに至りました。 今回の経験を自信にして、「博士」に恥じない仕事をしていきたいと思います。

(三井造船(株)技術開発本部)