ミュオン科学研究系活動報告2016(6月)

2016年 6月

◤ J-PARC MUSE施設整備状況

1. Dライン

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 図1:3層のパーマロイ磁気シールドに設置された、ミュオニウム用チャンバーおよび測定器系 [拡大図(1.1MB)

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 図2:チャンバー内に設置された、共鳴RF キャビティ [拡大図(1.0MB)

 ミュオン回転標的においては、1 MWにおいても放射線や熱による損傷は分散されて問題にならないと見込まれている一方、回転シャフトを支持するベアリングの損傷によって寿命が決定されている。
 現在、この回転系の監視のためにモータートルク値を測定しており、規定値に達するとビームを停止させるインターロックを設定している。我々 は、この回転系インターロックの多重化を目的として、マイクロフォンによるモーター音響の監視を計画している。
 現在、予備実験として回転モーター近傍にマイクロフォンを設置し、音響データの収集・解析を行っている。図1は、Run67における回転モーター 停止時と動作時の音響を比較したものである。回転モーターの動作に伴って8000 Hz付近に鋭いピークが観測されている。ビーム運転の有無に関わ らず同じトルク、同じ回転方向において、このピークの音圧レベルは、アンプ出力後でどちらも-70 dBであり再現性がみられており、インターロック設定のために重要な音源と考えられる。現在はトルクや回転速度、マイクロフォン位置を変化させた音響データの収集試験をヘンデル棟にて準備中であり、このオフライン試験と合わせてインターロック設定のための音圧レベル定量化を目指している。

 

 

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