Update:1999.4.21

KEKB加速器の総合調整は順調に進行中


 KEKB加速器の総合調整は順調に進行中である。3月9日には、LER(陽電子リング)の衝突点におけるベータ値(衝突点でのビームの絞り具合を示すパラメータ)を2cmから設計値の1cmまで小さくした。この変更による入射とビーム蓄積への悪影響はみられず、LERの最大蓄積電流は1週間のうちに240mAから370mAまで増加した。LERにひきつづき3月21日にHER(電子リング)のベータ値も2cmから1cmに変更された。なお、このベータ値は現存の電子陽電子衝突型加速器における世界最小値である。

 3月26日には200バンチの陽電子ビーム(65mA)と200バンチの電子ビーム(13mA)の間の衝突が試みられた。ビーム・ビーム・キックから計算されるルミノシティは1.7 x 1031cm-2s-1であった。(図参照のこと)

  ビーム衝突テストの後は、HERの蓄積電流増加の試みが行われた。現在の最大蓄積電流は、HERで514mA、LERで532mAである。
図1:マルチバンチ・ビーム衝突において観測されたビーム・ビーム・キック。上のグラフは水平方向、下のグラフは垂直方向におけるキックを示す。表に衝突テストの結果をまとめてある。

図2: 1998年12月の総合長運転開始から1999年4月はじめまでのの蓄積電流の変化。下のグラフは積分電流の変化を示す。

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