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last update:09/11/27 
  プレス・リリース 〜 09-15 〜 For immediate release:2009年11月27日
 
平成21年11月25日

行政刷新会議議長
内閣総理大臣
   鳩山 由紀夫  殿


国立大学法人・大学共同利用機関法人における
運営費交付金の確保について(要望)
 
大学共同利用機関法人
 人間文化研究機構長
  国立歴史民俗博物館長
  国文学研究資料館長
  国立国語研究所長
  国際日本文化研究センター所長  
  総合地球環境学研究所長
  国立民族学博物館長

 自然科学研究機構長
  国立天文台長
  核融合科学研究所長
  基礎生物学研究所長
  生理学研究所長
  分子科学研究所長

 高エネルギー加速器研究機構長  
  素粒子原子核研究所長
  物質構造科学研究所長
  加速器研究施設長
  共通基盤研究施設長

 情報・システム研究機構長
  国立極地研究所長
  国立情報学研究所長
  統計数理研究所長
  国立遺伝学研究所長
 

金田 章裕  
平川  南  
今西祐一朗  
影山 太郎  
猪木 武徳  
立本 成文  
須藤 健一  

志村 令郎  
観山 正見  
小森 彰夫  
岡田 清孝  
岡田 泰伸  
中村 宏樹  

鈴木 厚人  
西川公一郎  
下村  理  
生出 勝宣  
平山 英夫  

堀田 凱樹  
藤井 理行  
坂内 正夫  
北川源四郎  
小原 雄治  


今般の行政刷新会議の事業仕分けにおいて、国立大学法人・大学共同利用機関法人の教育・研究活動の根幹をなす国立大学法人運営費交付金が対象となり、見直しあるいは縮減との結論が下されました。我々は、もとより経営の改善に努力してまいりますが、国として長期的視点から継続的・安定的に措置すべき国立大学法人・大学共同利用機関法人の運営費交付金の縮減を強く憂慮するところであり、個々の大学の枠を越えた共同利用・共同研究を推進する大学共同利用機関法人として、以下のとおり要望します。

要望のポイント
○ 

○ 


○ 
学術研究は希望のある未来を切り拓く原動力であり、その振興は長期的視点に立って継続的に行われることが重要である。
運営費交付金のこれ以上の削減は、日常的な研究教育活動の質の低下、長期的視野に立った法人運営を困難にし、学術研究の衰退、我が国の地盤沈下を招くものであり、継続的・安定的措置について格段の配慮が必要。
大学共同利用機関は、国公私立大学の研究者に共同利用・共同研究の場を提供する研究・教育機関であるが、その特徴的な機能は運営費交付金の中の特別経費に負っており、その削減は我が国の学術研究に深刻な事態を惹起する。



  1. 長期的視点に立った学術研究の振興の重要性

    「知」の世紀といわれる21世紀においては、科学技術の応用展開を重視するからこそ、研究者の知的好奇心を源泉とする学術研究が長期的な視点に立って継続的に行われることが不可欠であります。学術研究の振興によって蓄えられる重厚な知的資産は国力の枢要な源泉であり、国民生活や経済活動を持続的に発展させ、環境の保全や人類の繁栄も視野に入れた希望のある未来を切り拓く原動力となるものであります。

    国立大学・大学共同利用機関における学術研究は、理系・文系の別を問わず、年限を限った時限付きのものではなく、息の長い広がりと深さが不可欠であり、そのような研究を許す土壌からこそ新しい科学技術の「種」が生まれるのであります。これらの例は枚挙に暇がありませんが、例えば、医療、創薬、育種等の分野で、現在、活発に活用されているバイオ技術は、もとはといえば20世紀前半に勃興した遺伝子の分子生物学に由来するものが大部分ですが、この学問自身は、決して応用を志向して誕生したものではなく、物理学者や遺伝学者の純粋な知的好奇心から始まったものでした。学術研究に裏打ちされていなければ、科学技術はやがて枯渇し、斬新で革新的な科学技術の開発へ展開されることはありません。

  2. 基盤的経費である運営費交付金の確保

    学術研究の主要な担い手である国立大学・大学共同利用機関の主要な財源は国からの運営費交付金ですが、現下の厳しい財政状況の下で削減が続けられ、研究環境の保持が困難になってきています。運営費交付金がこれ以上削減されれば、日常的な研究教育活動の質の更なる低下を招き、長期的視野に立った法人運営が困難となります。このような事態が更に続けば、我が国の学術研究は、衰退の道をたどり、ひいては日本の社会・経済の地盤沈下を起こし、欧米との競争から脱落するばかりか、他のアジア諸国の後塵を拝することになるでしょう。

    議長におかれましては、このような趣旨をご理解の上、財政状況が厳しい折ではありますが「国家百年の大計」として、基盤的経費である運営費交付金の継続的・安定的な措置について、格段のご配慮を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

  3. 特別経費の縮減は我が国の学術研究に深刻な事態を惹起

    大学共同利用機関は、世界に誇る我が国独自の研究・教育機関であり、研究者コミュニティーの総意の下に、全国の国公私立大学等の研究者に共同利用・共同研究の場を提供する中核拠点であります。その特徴的な機能は運営費交付金、とりわけ特別経費に依存しており、これによって全国の研究者はそれぞれの大学等では研究が困難な学術研究を遂行することが可能になっています。この経費の縮減は、我が国の学術研究に極めて深刻な事態を惹起することになります。
 
 
    ※ 同内容の要望を 川端達夫文部科学大臣 にも提出しております。
 
       

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