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last update:08/10/23  
フォトンファクトリーにインド科学技術省による専用放射光ビームラインを設置
 
 
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覚書を取り交わすヘマント・クリシャン・シン駐日インド大使(右)と下村理KEK物質構造科学研究所長(左)。
高エネルギー加速器研究機構(KEK)とインド政府科学技術省科学技術局(DST)は二国間における研究者や関係者の協力を一層強いものとするために10月22日科学的、技術的協力に関する覚書を締結しました。この覚書の中にはDSTがKEKの物質構造科学研究所放射光科学研究施設(フォトンファクトリー:PF)内に、インド研究者用のビームラインを設置することが含まれています。
 
このビームラインは、PFの25億電子ボルト(2.5GeV)リングの偏向電磁石を光源とするBL-18Bを利用します。KEKはBL-18BをDSTに貸与し、DSTは実験に用いるX線回折計や二次元検出器等を設置して、ナノ物質の構造解析、液界面や薄膜等の構造解析等の基礎研究を展開します。実験装置稼動後は、最大で50%までのビームタイムが共同利用実験のために提供されます。従来PFでは行われていない固体や液体表面/界面からの反射率測定や散漫散乱実験、超高真空環境下で調製した薄膜やナノ構造のその場評価といった研究手法も含まれており、新規ユーザーの放射光利用が期待できます。
 
この計画は2007年3月に日本学術振興会によって開催された日印科学評議会の場で提案があり、KEK・DST間で協議を行い、2007年7月には両者の間でビームライン設置に向けた確認書を取り交わしました。この確認書は2007年8月の安倍元首相訪印時の共同声明においても、両首脳により歓迎の意向が表明されました。その後も技術的検討等を継続し、この度シン首相来日中の研究協力覚書の締結に至りました。
 
なお、PFにはこのインドによるビームラインの他にもオーストラリアによるビームラインも1992年から稼働しており、放射光利用研究の国際的な発展に貢献しています。
 
 

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