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last update:09/07/02  
インド科学技術省による専用放射光ビームラインの運営会議を開催
 
 
東京都千代田区のインド大使館にて6月25日(木)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所 放射光科学研究施設(フォトンファクトリー:PF)に設置されたインド政府科学技術省科学技術局(DST)のビームラインBL-18Bの運営委員会が開催されました。
 
BL-18Bは、2008年10月にKEKとインド政府科学技術省科学技術局(DST)が締結した科学的・技術的協力に関する覚書に依り開発・運営が行われるもので、KEKはBL-18BをDSTに貸与し、DSTは実験に用いるX線回折計や二次元検出器等を設置して、今後は粉末試料の構造解析、ナノ物質の構造解析、固液界面・液液界面・薄膜等の構造解析、X線小角散乱の4つの手法を軸に基礎研究を展開します。 運営委員会開催にあたり、ヘマント・クリシャン・シン駐日インド大使よりインドの科学技術政策におけるKEKとの協力体制の重要性が述べられ、続いてKEK物質構造科学研究所の下村理所長より、インド政府に対する謝辞とともに、二国間の協力体制を象徴するBL-18Bの成功がアジア・オセアニア地域の放射光ネットワークに対して果たす貢献に対する期待が述べられました。事業のリーダーであるサハ核物理研のミラン・サニアル教授による計画概要の紹介に引き続き、KEKに常駐することとなるインド側担当者の業務や待遇、今後BLを使用するためにインドからPFを訪れるユーザーへの対応など、BL-18Bの運営について具体的な議論が行われ、またBL-18Bを使った立ち上げ実験の最新のデータについての報告を受けて、さらなる精度の向上についての活発な意見交換が行われました。また、本ビームラインを用いた低温・高圧下における回折実験や相転移に伴う構造変化研究等の期待が述べられました。
 
BL-18Bにおいて現在は光学系の調整も済み、PF職員とインドの研究者らの協力体制の下、設置された回折計を用いて粉末解析の実験とその評価が行われています。実験装置の本格稼動後は、BL-18Bのビームタイムの最大50%がPFの共同利用実験のために提供される予定です。
 
なお、PFにはこのインドによるビームラインに先立ち、1992年からオーストラリアによるビームラインも稼働しています。PFは今後も国際化を推進し、放射光利用研究の国際的な発展に貢献します。
 
【これまでの経緯】
  2007年3月 日本学術振興会によって開催された日印科学評議会においてインド側より提案
2007年7月 両者の間でビームライン設置に向けた確認書に調印。
2007年8月 安倍元首相訪印時、両首脳の共同声明において確認書に対する歓迎の意向を表明
2008年10月22日 シン首相来日時、科学的・技術的協力に関する覚書の締結
 
 
ビームラインBL-18B視察の様子   ヘマント・クリシャン・シン駐日インド大使
運営委員会に先立って実施されたビームラインBL-18B視察の様子  
 
 
インドの科学技術政策における二国間の協力体制の重要性に関して述べるヘマント・クリシャン・シン駐日インド大使
運営委員会   運営委員会のメンバー
運営委員会の様子   運営委員会のメンバー。中央左寄り(背面スクリーンの中央)にヘマント・クリシャン・シン駐日インド大使、その左に下村理KEK物質構造科学研究所長。
 
 

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