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last update:08/04/10  

   image 春の風景    2008.4.10
 
        〜 総研大の新入生 〜
 
 
  気がつけば季節は既に春、そんな風に感じるのは、桜の花が少し早く開いたせいでしょうか。まだ昼間の暖かさが残る夕刻、和やかに談笑する声に引き寄せられ、ふと施設内にあるラウンジを覗いてみると、研究者とまだ少しかしこまった学生と思しき若者たちがテーブルを囲んで団欒している光景に出会いました。

花も人も季節は春。総合研究大学院大学の高エネルギー加速器科学研究科に、今年も13人の学生が入学しました。

春の新鮮さをお裾分けいただこうと、新入生をお世話している大学院教育係(という係がKEKにはあるのです)の人に、何人か紹介してもらい、抱負などを聞かせてもらいました。

新入生インタビュー

本多正純さん(素粒子原子核専攻 博士前期課程入学)

−総研大を選んだ理由は?

超弦理論(という素粒子理論)の数値シミュレーション研究をやりたいと思っているのですが、その研究で実績のある研究者のもとで、いろいろと勉強したいと思いました。それと、高性能のスーパーコンピュータがあるのも魅力でした。 RA(リサーチ・アシスタント)の制度も魅力です。

−その研究者と知り合ったきっかけは?

6月の説明会の時に、理論研究系でお菓子の会というのを催していただきまして、そこで初めて会いました。その他にも理論研究系には多彩な研究者が多いので、自分の研究の将来にいろいろと可能性が広がると感じています。

−抱負を一言お願いします。

なるべく早く研究の最先端に立てるように、がんばりたいと思います。

中村健介さん(物質構造科学専攻 博士前期課程入学)

−研究テーマは何ですか?

X線を使ったタンパク質の結晶化と構造解析です。学部の卒業研究のテーマでもあります。

−それで、放射光施設のあるここを選んだ?

はい。学部の時の指導教官から紹介してもらい、去年の夏に研究室を訪問しました。研究内容や、今回指導教員になってもらう先生はじめ皆さんの仕事ぶりや人柄がとても良かったので、ここで研究しようと決めました。RAの制度も充実しているので、自分にプラスになることが多いと感じています。

−抱負を一言お願いします。

5年間、バテずにやっていきたいです。

清宮裕史さん(加速器科学専攻 博士前期課程入学)

−学部では加速器の専攻はないと思いますが、大学院で加速器を選んだのは?

理論を実証する加速器に魅力を感じました。より実験の現場に近いところで研究に携わりたいと思ったのです。それで、世界有数の加速器があるKEKで加速器の研究を行える総研大に行こうと思いました。

−加速器の魅力って何ですか?

大きなプロジェクトの推進はもちろん、医療や半導体分野への応用など、加速器にはいろいろな可能性を感じています。それが魅力です。

−抱負を一言お願いします。

加速器の理論を勉強したいと思っています。半年くらいいろいろ模索して、ゆくゆくはビーム強度や反応頻度が高く性能のよい加速器の開発に携わりたいです。

突然お邪魔したにも関わらず、3人とも、生き生きと志を話してくれました。新入生ならではの、KEKの研究環境の魅力も伝わってきて、改めてKEKの研究施設の持ち味が確認できました。他の皆さんからもそれぞれに若いエネルギーが感じられ、会場は春らしい雰囲気に包まれていました。

KEKでの大学院教育

KEKは、加速器など大型設備や、大学間で共有することが有効な情報、加速器科学分野のネットワークの中心ノードとしての組織が集約された大学共同利用機関で、大学共同利用の促進と研究成果の創出に数々の成果を挙げています。一方で、KEKは加速器科学分野の大学院教育の場にもなっています。

総合研究大学院大学の高エネルギー加速器科学研究科が設置され、加速器科学、物質構造科学、素粒子原子核の各専攻において、KEKで行われる研究活動に基づいた大学院教育が展開されています。高エネルギー加速器科学研究科長の飯田厚夫教授は、大学共同利用機関であるKEKを利用した大学院教育について、「国内外から多くの研究者が集まり、世界の最先端を切り拓く研究がまさに行われているホットな現場で、学生と教員が一体となって大学院の教育がおこなわれている点に特色があります。」と述べます。

同研究科では、来年度の志願者募集に向けた大学院説明会と夏期実習を予定しています。充実した研究環境や、優れた研究者を養成する教育プログラムを体験的に紹介しますので、興味のある学生の皆さんは、是非積極的に参加してください。
詳しくは、http://www.kek.jp/sokendai/announce/2008/kakijisyu.htmlをご覧ください。

総研大の他にも、KEKでは各大学から大学院学生を受け入れ研究指導を行う「特別共同利用研究員」の制度や、KEKと各大学の大学院が連携・協力して大学院学生の指導を行う「連携大学院」の制度があり、学生の教育に積極的に取り組んでいます。



 
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[図1]
KEKの桜も今年は例年よりも早く見頃を迎えた。
拡大図(100KB)
 
 
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[図2]
インタビューに答えてくれた新入生の3人。左から本多さん、中村 さん、清宮さん。
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[図3]
新入生と先輩学生と教員。季節感が漂う。
拡大図(77KB)
 
 
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[図4]
4月3日には、総研大本部のある葉山で入学式が行われた。
拡大図(88KB)
 
 
※もっと詳しい情報を
        お知りになりたい方へ

→総合研究大学院大学のwebページ
  http://www.soken.ac.jp/
→KEKの総合研究大学院大学の
    webページ
  http://www.kek.jp/sokendai/
→夏期実習案内のwebページ
  http://www.kek.jp/sokendai/
          announce/2008/kakijisyu.html

→大学院生・研究員の受入のwebページ
  http://www.kek.jp/intra-j/daigakuin/

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