Q1.機関リポジトリってなんですか?

A1.機関リポジトリとは、大学とその構成員が創造したデジタル資料の管理や発信を行う

ために、大学がそのコミュニティの構成員に提供する一連のサービスです。

1990年代以降、大手出版社による出版物の寡占化と価格の高騰は、購読中止を招き、

そのため売り上げが減少し、さらなる値上げにつながるという悪循環を招きました、

この状況を打開するため、学術情報をオープンアクセスにしようとする運動が高ま

り、アメリカで始まりました。

 

Q2. KEKリポジトリに登録できる対象者を教えて下さい

A2.対象者は以下の通りとなります。

  機構に在籍している役員及び職員、若しくは役員または職員として在籍したこと

がある者。

②機構教育職の職員の指導のもとで研究活動を行っている大学院生、またはその終

了後に、当該期間の成果物を登録しようとする者。

③その他図書室長が適当と認めた者。

KEKの構成員、または構成員だった方なら、どなたでも資格がありますが、当該コン

テンツの作成に関与した方でなければなりません。(ただし、登録したコンテンツは、

他機関へ転出、卒業された場合でも削除する必要はありません。)

※平成25年度以降に博士学位を取得された方は、博士学位論文のインターネット公

表が義務化されています(平成2541日付学位規則一部改正)。学位を授与さ

れた方は、原則として、学位授与後一年以内に博士学位論文の全文をインターネッ

トの利用により公表しなければなりません。

 

Q3. KEKリポジトリへ可能な登録範囲(登録コンテンツ)は?

A3.以下の通りになります

①機構に在籍中に行った研究の成果。

②総研大高エネルギー加速器科学研究科が学位を授与した学位論文。

③機構の出版物類

・機構が終期を予定せず継続的に発行している研究成果を収載した刊行物。

  その他図書室長がKEKリポジトリに登録することが適当と認めたもの。

⑤公開に当たって、法令上、社会通念上、及び情報セキュリティ上、問題が生じない

 ものであること。

*研究・教育活動によって生み出された学術成果、知的生産物であれば、あらゆるも

のが対象となります。具体的には、学術雑誌掲載論文、学位論文、紀要論文、科学研

究費補助金成果報告書、プレプリント、テクニカルペーパー、学会発表資料、講演会・

シンポジウム発表資料、議事録、教材等。

 

Q4.登録作業が難しそうですが、どのようにして送付すればいいですか?

A4. 登録は簡単です。申請書および論文などのファイルを電子メールに添付して送って

下さい。あとの作業は図書室が行います。

電子ファイルがある場合(容量が小さいもの)は、電子メールに添付して送って下さ

い。電子ファイルがある場合(容量が大きいもの、コンテンツが多数に上がるもの)

は、CD-R等のメディアに入れて、所内便で送って下さい。

 紙媒体しかない場合は、紙媒体を所内便で送って下さい。図書室で電子化します。

*ファイル形式は、PDFWord Excel、パワーポイント、Tex等形式は問いませんが、

セキュリティ上の観点から、PDFに変換することを推奨します。

もし本文と図表等のデータが別になっていてもご依頼いただければ図書室で一つに合

わせてPDF化します。(その場合出版社のように美しいレイアウトは出来ないことをあ

らかじめ了承下さい)

*コンテンツ送付の際は、リポジトリ登録申請・許諾書を添付して、お送り下さい。

また、メタデータ(そのコンテンツに関する情報。タイトル、著者、出版社、掲載ペ

ージ、キーワード等)も一緒にお知らせください。

 

Q5. 学術雑誌掲載論文を登録出来るそうですが、著作権は大丈夫ですか?

A5. 出版社が機関リポジトリへの登録を認めているのは、著者の手元にある、最終原稿

(雑誌掲載用のレイアウトに整えられる前の状態のもの)です。基本的には出版社がレ

イアウトした出版社版ファイルの登録は認めていませんが、電子ジャーナルの全文

ファイルの利用を許可している出版社・学会もありますので、こちらでお調べ致しま

す。(例えばAmerican Physical Societyは許可をしております。)

学術雑誌に掲載された論文は、多くの場合、Copyright Transfer契約や投稿規定で、

出版社に著作権が譲渡されています。大手出版社を含む70%以上の学術雑誌は、論文

を機関のサーバーから無料で公開することを認めているので(このような出版社を

Green Publisher、このような雑誌をGreen Journalと呼びます。)その場合は、改め

て許諾を得ることなく登録することが出来ます。

 

Q6. 学術雑誌に掲載された論文を、登録する必要がありますか?

A6. 学術雑誌の高騰によって、高額な電子ジャーナルを読むことが出来ない研究者等の

アクセスを可能にすることで、研究成果の可視化を高めることが最大のメリットで

す。

 

Q7. KEKリポジトリに登録すると、論文の著作権を譲渡したことになりますか?

A7. 著作権は登録後も移動しません。インターネットに公開するために、著作権のうち

複製権・公衆送信権について図書室に許諾を与えていただくことになります。

*電子化・公開にあたって関係する権利は、著作権のうちの次の2つです。

・複製権:著作物を電子化してファイルに保存することにより生じます。

・公衆送信権:著作物を電子化したファイルをインターネットに接続したサーバー

 にアップロードすることによって生じます。詳しくは公衆送信権のうちの、送信

可能化権となります。

KEKリポジトリ登録時の著作権処理

 ①  本人だけが著作権を持つ場合は、本人の意思で登録することが出来ます。

 ② 本人及び共著者が著作権を持つ場合は、共著者の方々の許諾を得る必要があり

ます。

*細かい許諾条件等、出版社に関する権利処理については、図書室で確認します。

 

Q8. 論文の内容に特許申請予定(または申請中)の部分が含まれていますが、大丈夫でし

ょうか?

A8. リポジトリに公開後に特許出願したものは、(インターネットで公開されると新規

性を失うため)、特許の取得が出来ません。リポジトリ登録前に特許を取得していた

だけるようお願いします。例外的に特許取得できる場合もありますのでご不明な点

がありましたら登録申請をされる前に下記にお問い合わせください。

特許出願に関する問い合せ先:知的財産・連携推進室(TEL029-864-6240

 

Q9. 論文の中に、図や表を引用していますがどのような手続きが必要でしょうか?

A9. 図や表の作成者に著作権がありますので、リポジトリ登録前に作成者の許諾を得る

必要があります。ご不明の点がある場合には図書室にお問い合わせください。

 

Q10. すでに自分のサイトに論文を公開していますがKEKリポジトリにも登録すること

によるメリットはありますか?

A10. KEKリポジトリで登録公開した研究成果は、サーチエンジン(Google Scholar)や、

JuNii(国立情報学研究所)、OAIster(OCLC)といった電子論文検索サービスから検

索が出来るようになり、研究成果の視認性が高まります。また、ディジタルファ

イルを蓄積するので、貴重な研究成果が永続的に保存されるようになります。

 

Q11. 学位論文を雑誌に掲載する予定があるので、今は登録したくありません。

A11.希望の公開時期を指定することが出来ます。登録書にご希望の時期を記入して下さ

い。

 

Q12. 電子ファイルを持っていないのですが、どうしたらいいでしょうか?

A12. 電子ファイルがない場合は、図書室で紙の媒体をスキャンして、電子ファイルを登

録し公開します。

 

Q13. 登録後に公開を中止することは出来ますか?

A13.中止の申し出があった場合には、図書・出版委員会の協議を経て公開を中止するこ

とが出来ます。

 

Q14. 紀要(各研究所などが定期的に発行する学術雑誌のこと)をKEKリポジトリで公

開するメリットはありますか?

A14. Google Scholarなどのサーチエンジンや、電子論文検索サービスから検索が出来

るようになり、研究成果の可視化を高めます。

*冊子の発行に替えて電子ジャーナル化して、KEKリポジトリをプラットフォーム

として利用すれば、冊子を送付する際の費用や発行に関わる費用の削減に繋がり

ます。

 

Q15. 登録書は新しい巻号が発行されるたびに送る必要がありますか?

A15.終期を予定せずに発行されるもの(紀要等)は、1誌につき、登録申請書1部で

結構です。巻号ごとに提出する必要はありません。

KEKリポジトリ内コンテンツの利用は、著作権法の範囲内でお願いします。

著作権は、著者または出版社等が保持します。2次利用など閲覧等の利用を超える

利用については、著作(権)者に問い合わせる必要が生じます。