アブストラクト: |
KEKでは、以前より放射光施設の次期計画をエネルギー回収型ライナック(3GeV-ERL)と定めて進めていますが、その実現を目指して2009年から加速器要素技術の実証器としてcERLの建設を進め、今年度末には電子ビーム運転を開始する予定です。一方、cERLは加速器の実証器と言う位置付けだけではなく、テラヘルツ領域(meV)からX線領域(keV)に至る幅広いエネルギー領域に跨る新しい量子ビーム科学のプラットホームとして、優れた光源性質を有しています。特に、レーザー逆コンプトン散乱X線、コヒーレントテラヘルツ光、フェムト秒短パルスX線としての光源特性を、単一の加速器を用いて実現することができることから、X線位相イメージング、医療用X線イメージング、テラヘルツ分光、テラヘルツイメージング、フェムト秒X線超高速ダイナミクス研究などを複合的に組み合わせた、新しい学術研究が可能となることが期待され、またそのような研究を是非活性化していきたいと思っております。
既に、2007年に第1回コンパクトERLサイエンスワークショップ「コンパクトERLが拓く世界」を開催しておりますが、第2回コンパクトERLサイエンスワークショップではこの新しい量子ビームプラットホームでのサイエンスの展開を議論したいと存じます。
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