宇宙物理セミナー

日時: 2010-07-09 16:00 - 17:00
場所: 4号館346号室
会議名: サブミリ波の分光観測による高温な星間分子ガスの研究
連絡先: 羽澄昌史
講演者: 永井誠  (KEK/IPNS)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 現在の宇宙は様々な天体に彩られている。最も基本的な天体は、 星と星間雲である。銀河の内部では星の誕生・死を中心に、多く の現象が複雑に絡み合いながら起きている。その中で、分子ガス を主成分とする分子雲は、星形成の母体として重要な役割を演じ ている。 分子雲の研究は、電波望遠鏡を用いたミリ波帯の分光観測が主 だが、近年はサブミリ波帯でも大規模な観測ができるようになっ てきた。サブミリ波帯の分子輝線を観測することは、ミリ波帯よ りも高温のガスを見ることに相当する。 こうした電波天文学の現状の一端として、ASTE望遠鏡による 銀河系中心領域の成果を紹介する。分子ガスの温度分布を調べた ところ、高温ガスの塊を多数発見した。しかし、対応天体は可視 光やX線でも見つかっていない。ガスの運動、密度、化学組成に 基づき、大質量星団が引き起こす多数の超新星爆発による加熱機構 を提案した。

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