宇宙物理セミナー

日時: 2014-03-24 13:00 - 14:00
場所: 4号館輪講室345室
会議名: 宇宙マイクロ波背景放射偏光観測実験POLARBEARによる重力レンズ起源B-mode偏光の検出
連絡先: 野澤 真人、nozawa.m-AT-post.kek.jp
講演者: 茅根 裕司 氏  (高エネルギー加速器研究機構 )
講演言語: 日本語
アブストラクト: POLARBEAR実験は、ニュートリノ質量和の精密測定およびGUTスケールでの物理の解明を目指し、南米チリのアタカマ砂漠標高5,200mで2012年初頭から、 宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Background radiation, CMB)偏光の観測を行っている。 POLARBEAR実験は、超高感度な1274個のTES(transition-edge sensor)ボロメータと3.5mの専用望遠鏡を用いることで、 高精度で原始重力波起源B-mode(大角度スケール)および重力レンズ起源B-mode(小角度スケール)両方の観測が可能な実験である。 2012-2013年の観測では、重力レンズ起源B-mode偏光検出に特化したdeep surveyを行い、今迄初検出を目指しデータ解析を精力的に進めて来た。 この講演では、POLARBEAR実験が達成した3つの異なる手法での重力レンズ起源B-mode偏光の検出について、データ解析を中心に解説する。 可能ならば、この結果によるニュートリノ質量和への制限についても言及し、将来、POLARBEAR実験でどこ迄精密にニュートリノ質量和を測定出来るのかについても議論する。 最後に、原始重力波起源B-mode偏光観測のスケジュールについても話す予定である。

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