日時: |
2012-02-02 16:00 - 18:00 |
場所: |
4号館2階輪講室1-東海1号館324室 |
会議名: |
物構研談話会 |
連絡先: |
中尾裕則4868 |
講演者: |
網塚浩 (北海道大学大学院理学研究院 物理学部門 教授) |
アブストラクト: |
URu2Si2(体心正方晶、ThCr2Si2型;空間群I4/mmm)は1985年に発見された超伝導体であり、重い電子系物質群の中でも最も古株の一つにあたる。この物質が今もなお注目を集め続ける理由は、超伝導転移点(約1.4
K)より高温の17.5 Kで起こるもう一つの2次相転移の起源が、多くの研究努力にも拘わらず未解明なことによる。この相転移は現在「隠れた秩序」と呼ばれ、20を越える様々な理論提案の中で、実験で如何に秩序変数を特定するかに各国の研究者がしのぎを削っている。本講演では、有力候補とされる高次多極子秩序の可能性を検証すべくSPring-8で行った共鳴・非共鳴X線散乱実験について、また、最近CMRCプロジェクト及びKEK-北大連携支援事業の一環としてKEK-PFにて行った単結晶構造解析について紹介する。特に後者では、転移に伴いSi原子位置および原子変位パラメータが異常を来している兆候が見つかったので、解析過程と結果を詳しく報告し、ご批判を仰ぎたい。 |
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