日時: |
2012-02-20 17:30 - 18:30 |
場所: |
PF研究棟2階会議室 |
会議名: |
物構研談話会 |
連絡先: |
川崎政人4347 |
講演者: |
白石 充典 (九州大学大学院薬学研究院) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
講演タイトル:GPCRの構造研究のための安定化改変体作製・評価プラットフォーム
要旨:現在市販されている医薬品の半数以上がG蛋白質共役型受容体(GPCR)を標的
としており、GPCRは創薬ターゲットとして最も重要な蛋白質ファミリーである。薬の
合理的設計には、蛋白質の立体構造を基にしたアプローチが重要であるが、ほとんど
のGPCRは野生型の状態では発現が低くかつ不安定で、立体構造の解明には適さない。
ゆえに高発現・安定化のための蛋白質工学的な改変は必須であり、発現が低く不安定
なターゲットが多く残されている現在、簡便かつ迅速に、高発現・安定化改変体を作
製し評価できる系が望まれる。我々は出芽酵母(S. cerevisiae)を用いた、GPCR改
変体構築・評価のためのプラットフォームを確立した。これにより、従来よりも3分
の1程度の期間で改変体構築から評価までを行うことができるようになった。またS.
cerevisiaeで作製した性質の良い(高発現で安定な)改変体は、他の宿主においても
良い性質を示した。我々はこのプラットフォームを用いて、アレルギー症状に深く関
与するヒスタミンH1受容体の改変体の大量調製に成功し、3.1オングストローム分解
能での構造解析に成功した。この構築・評価系は創薬ターゲットとなる他の膜蛋白質
全般に対しても有用な手法となることが期待される。 |
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