物構研談話会

日時: 2012-03-08 16:00 - 18:00
場所: 4号館2階輪講室1 東海1号館324室
会議名: チムニー型磁気励起の起源解明に向けて 〜反強磁性金属 (Mn,Fe)3Siの場合〜
連絡先: 中尾裕則4868
講演者: 平賀晴弘  (東北大学金属材料研究所)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 1987年、富吉等は反強磁性金属Mn3SiとMn2.8Fe0.2Siに対する中性子磁気非弾
性散乱から、奇妙な磁気分散関係を見出した[1]。すなわち、反強磁性ブラッグ
点から延びるスピン波コーンが、あるエネルギー以上で急峻な(あるいは垂直
な)分散へと移り変わる。エネルギー−波数空間であたかも煙突のように突っ立
つその形状から「チムニー型」磁気励起と呼ばれていが、20年以上経過した今
も、この磁気励起の起源は解明されていない。
 我々は2010年からパルス中性子を使って(Mn,Fe)3Siの磁気励起観測を開始した
が、謎は深まるばかりである。集団スピン波励起とも個別電子-ホール励起(ス
トーナー励起)とも異なるであろう、新しいタイプの磁気励起としての可能性
を、これまでに得られた実験データを基に議論したい。
[1] S. Tomiyoshi et al., PRB 36, 2181 (1987).

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