物構研談話会

日時: 2012-10-10 15:00 - 16:00
場所: 4号館2階輪講室1 東海1号館324室
会議名: 物構研談話会 (12-23) 光パルスを用いた高速スピン波制御
連絡先: 酒巻真粧子4948
講演者: 佐藤琢哉先生  (東京大学生産研)
アブストラクト: フェムト秒光パルスを用いて磁化を超高速に制御する研究が近年盛んに行われている。非熱的な磁化の制御法の一つが逆ファラデー効果を利用するものである。円偏光光線が物質に照射されると、光の進行方向に沿って有効磁場が誘起されるという効果である。我々は、反強磁性体 NiO[1]、弱強磁性体DyFeO3 [2]において逆ファラデー効果によるスピン歳差運動を時間分解ポンプ-プローブ法を用いて測定してきた。また最近では、逆ファラデー効果によって誘起されたスピン波伝播の空間・時間分解測定も行っている。サンプルには磁気光学効果の大きい希土類鉄ガーネットを用い、ポンプ光とプローブ光の照射位置をずらすことで、スピン波の空間伝播を観測した。誘起されたスピン波は、静磁波の一種として矛盾無く解釈された。さらにポンプ光のスポット形状によって、スピン波の伝播方向を制御することにも成功した[3]。
[1] T. Satoh et al., Phys. Rev. Lett. 105, 077402 (2010).
[2] R. Iida et al., Phys. Rev. B 84, 064402 (2011).
[3] T. Satoh et al., Nature Photonics (doi:10.1038/nphoton.2012.218).

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