物構研談話会

日時: 2013-05-13 16:00 - 18:00
場所: 4号館2階輪講室1 東海1号館324室
会議名: 物構研談話会(13-03)有機金(I)錯体における微小な機械的刺激をトリガーにした単結晶−単結 晶相転移
連絡先: 足立伸一 4737
講演者: 伊藤肇先生  (北海道大学大学院工学研究院)
アブストラクト: 機械的な「力」を積極的に利用して、有機分子の化学変化や構造変化を引 き起こす研究に注目が集まっている。しかしマクロな「力」が、サブナ ノオー ダーの存在である分子に対して作用する際の詳細なメカニズムについては明らか になっていない。
 単結晶−単結晶相転移は、ある結晶形が外部刺激によって別の結晶系へと、結 晶外形や均一度を保ちながら変化する現象で、有機分子の結晶では比較 的珍し い。単結晶−単結晶相転移を引き起こす外部刺激としては、熱、圧力、光などが 知られている。我々は、新しい有機金(I)錯体を合成し、機械 的刺激に対する挙 動を調べた。その結果、この結晶の一部分に対して機械的刺激を与えると、結晶 構造の変化が結晶全体に伝搬する現象を発見した。圧 力などや熱によって結晶 構造が変化する例は多数知られているが、微小な機械的刺激による単結晶−単結 晶相転移については、我々の知る範囲ではこれ が最初の例である。この現象に おいては、マクロな機械的刺激が分子レベルの構造変化につながっている点で興 味深い。

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