物構研談話会

日時: 2013-06-27 14:00 - 16:00
場所: 4号館2階輪講室1 東海1号館324室
会議名: 物構研談話会 (13-06) フラストレートした磁性体CuFeO2の磁気相転移に対する一軸圧力効果
連絡先: 中尾裕則4868
講演者: 中島 多朗 氏  (東京理科大学)
アブストラクト: 磁気的な相互作用の競合を内包する「スピンフラストレーション系」は、古くからその多彩で非自明な磁気相転移について理論と実験の両面から研究されてきた系である。近年このフラストレーション系において磁気秩序が形成される際に自発的に格子を歪めてフラストレーションを部分的に解消するというスピン・格子結合効果が数多く報告され盛んに研究されてきた。
このようなスピン駆動型の格子歪みは(それによって誘起される磁気秩序の対称性を反映して)その多くが異方的であり、系の対称性を低下させる。 我々はこの「異方的な格子歪み」に着目し、これに共役な外場として一軸圧力を加えることで系のフラストレーションの度合いを変化させ、磁気相転移を制御することを試みた。対象物質としては強いスピン格子相関を示す三角格子反強磁性体CuFeO2
を用い、この単結晶試料に対して三角格子面内 方向に一軸圧力を加えて、帯磁率測定、中性子回折、放射光X線回折等を行った。これらの結果を紹介しながら一軸圧力がCuFeO2の磁気相転移に 与える影響について議論する。また、関連する話題として、この系の格子歪みにおける各原子の位置変位の方向についての情報を得るために、低温の磁気秩序相内で見られる超格子反射に対して共鳴X線散
乱実験をFe,CuのK端で行った結果についても紹介する。

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