アブストラクト: |
表面磁性・表面化学は、様々な手法によって研究されているが,放射光の波長可変性,偏光特性をいかすことによって有用な情報を得ることができる。我々は、既存の手法にひと工夫を加えることによって,より知りたい情報を得るための努力をしている。
例えば、円偏光軟X線をもちいたXMCD(X線磁気円二色性)は,元素選択的にスピン・軌道磁気モーメントを定量することのできる手法であるが,我々はこれに、深さ方向の分解能を持たせることに成功した。
また,直線偏光を用いたXAFS(X線吸収微細構造)は,固体表面における化学種の識別能にすぐれ,表面吸着分子の構造や電子状態を知ることができる,有効な手法であるが,我々はこれを、one shotで、測定できるようにし,実時間追跡を可能にした。
こうした工夫によって得られた最近の研究結果と近い将来の計画を紹介する。
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