物構研セミナー

日時: 2006-09-13 16:00 - 17:00
場所: 物構研4号館2階輪講室2
会議名: 物構研セミナー「コバルト酸化物 NaxCoO2yH2Oでの三角格子上の超伝導:実験と理論」
講演者: 小形 正男氏  (東大大学院理学系研究科)
講演言語: 日本語
URL: http://pfwww.kek.jp/pf-seminar/
アブストラクト: コバルト酸化物 NaxCoO2yH2Oにおいて、最近、超伝導が見つかり、その超伝 導対称性やメカニズムについて、いろいろと活発に実験・理論の研究がなされ ている。とくにCo上での3d電子が超伝導を担っていると考えられるが、Coイオ ンは完璧な三角格子をなしている。さらにH2Oを導入することによって、2次 元性を増した場合に超伝導が起こることが解っている。この物質について、最 近の実験結果と理論のレビューを行なう。とくにNMRの実験結果から、異方的 超伝導であると考えられているが、スピン一重項であるか、三重項であるかは 決着を見ていない。また、超伝導相の近傍に磁性の相があることも最近解って きている。 理論計算からは、単純な三角格子のモデルでは超伝導は説明できないと考えら れる。そのため、実際の3d軌道とバンド計算から得られる比較的特殊なフェル ミ面を用いなければならないと考えられる。この場合、スピン三重項の超伝導 が安定化することが示された。さらにスピン三重項の場合、磁場―温度相図に おいて多重相があらわれる可能性を考えた。

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