物構研セミナー

日時: 2006-08-07 15:00 - 16:00
場所: 4号館2階輪講室1
会議名: 物構研セミナー「低ドープ領域La2-xSrxCuO4における高磁場下のμSR実験」
講演者: 石田憲二  (京都大学 国際融合創造センター/京大院理)
講演言語: 日本語
URL: http://pfwww.kek.jp/pf-seminar/
アブストラクト: 銅酸化物高温超伝導体La2-xSrxCuO4における磁性と超伝導の関係は、超伝導発現機構の解明の上からも非常に重要な問題である。我々はスピングラス相から超伝導に移り変わる濃度(x =0.06)や、x =1/8の近傍に興味を持ち、そこでの磁性と超伝導の関係を微視的な実験(μSR、NMR)から調べている。特に低エネルギー磁気励起の発達が顕著となりNMR信号が消失する温度領域を中心に、低、高磁場下の横磁場μSRを行い、磁場侵入長、共鳴線のシフトや線幅の温度依存性を調べている。その結果Tc 〜17Kで超伝導転移を示すx = 0.07の試料において、横磁場μSRの実験から超伝導転移温度より十分低温のTf 〜4 Kで静的な磁気異常が存在することを示した。x=0.053から0.15の5種類の試料について超伝導転移温度と、超伝導状態で起こる静的磁気異常、磁場誘起磁性の組成依存性を調べたのでその結果について報告し、これらの結果から考えられる磁性と超伝導の関係を考察する。

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