合同セミナー

日時: 2014-04-23 16:30 - 18:30
場所: 3号館4階会議室
会議名: ILC 加速器・物理合同勉強会
連絡先: 大森恒彦
講演者: 渡辺寛子さん/山中将さん  (東北大/KEK)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 渡辺寛子さん:地球ニュートリノで拓く地球熱史:ニュートリノの素粒子としての性質が徐々に明らかにされ、近年ではニュートリノの透過性の高さを利用した不可視の天体内部観測が現実的なものとなっている。地球内部に存在する放射性物質はその崩壊によって熱を発生すると共に、反電子ニュートリノ(地球ニュートリノ)を放出する。 KamLAND実験では、2005年の世界初観測に続き、徐々にその測定精度を高め、2011年・2013年に発表した結果では、地球の熱源の約半分が放射性物質起源であることを実測で証明する等、地球ニュートリノをプローブとして利用し地球科学の理論に対して制限を与えることに成功している。これは地球の現在を直接的に観測する新たな手法であり、「ニュートリノ地球物理」の創成と言える。本講演では、地球ニュートリノ観測の面白さ、世界的な現状と、将来展望についてお話しする。/山中将さん:ILC用超伝導加速空洞製造の取り組:KEKは空洞製造技術開発施設(CFF)を建設し、2011.7に竣工した。ここには電子ビーム溶接機等の空洞製造に必要な設備が整っている。機械工学センターの既存の工作機械と合わせて、KEK所内にて超伝導加速空洞がすべて内製できる。超伝導加速空洞で用いられるニオブ材の説明から始め、空洞製造の方法について概説し、KEKの取り組みを紹介する。

[index]