アブストラクト: |
X線吸収微細構造法や蛍光X線法に代表されるX線分光の発
展により、環境中で 起きる様々な化学プロセスを詳細に明
らかにできるようになってきた。これまで想像 で語られて
きた現象を原子・分子レベルから明らかにすることで、地
球で起きている マクロな現象を正しく理解できるようにな
り、そのことが地球環境の正確な将来予測 につながると考
えられる。本講演では、このような「分子環境地球化学」
と呼ぶべき 分野の発展に、最先端のX線分光がいかに重要
な役割を担っているかを示したい。ま た、海外での放射光
の環境科学的利用の例を挙げ、放射光を用いた環境科学へ
の今後 のアプローチを展望したい。
物質化学グループに関連する研究対象は極めて広範であり、
それらの各分野で最先端の研究を展開している方を講師に
招き、最近の研究成果を概観した上で、その分野の近未来
をこれまでの放射光が果たした役割と今後の果たすべき役
割の観点から展望する物質化学レクチャーシリーズの第3
回である |