アブストラクト: |
希土類元素などの重元素はその高い酸化数と大きなイオン半径から、その地球化学的挙動は特異的であり、重元素分析は物質の歴史(物質史)を解明するのに有用である。
一方、As、Cd、Hgなどの重元素は毒性元素として環境科学において注目されている。本講演では、これらの重元素に着目した放射光X線分析(XRF・XAFS)による、考古学、鑑識科学などの物質史を明らかにする研究や、重金属の生体濃縮の研究など、重元素分析の魅力を紹介し、今後の放射光利用の展望を述べる。
*物質化学グループに関連する研究対象は極めて広範であり、それらの各分野で最先端の研究を展開している方を講師に招き、最近の研究成果を概観した上で、その分野の近未来をこれまでの放射光が果たした役割と今後の果たすべき役割の観点から展望する物質化学レクチャーシリーズの第4回である。
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