日時: |
2004-12-21 15:00 - 17:30 |
場所: |
4号館4階輪講室 |
会議名: |
第4回つくば不安定核セミナー |
連絡先: |
延与佳子 |
講演者: |
本間道雄ほか (会津大学 総合数理科学センター) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
殻模型は原子核構造を核子の自由度から微視的に記述する模型であり、模型の
仮定による不定性が少ないこと、多様な構造を統一的な枠組みで扱い得ること、
実験と直接比較できる量が計算できることなど、その有用性は理論面および実験面
で確立されている。この模型の現実的な適用範囲は、主に2つの原因によって
制限されている。その一つは模型空間の増大に伴う計算量の爆発的増加であり、
実際90年代半ばまで、その適用範囲は計算機の進歩に比例して拡大されてきた。
我々は、この制限を克服するためにモンテカルロ殻模型を提唱し、現在までに
この制限を大きく越える模型空間で殻模型計算を実行し、巨大な模型空間が
本質的に重要となる問題について考察してきた。第二の制限は、有効相互作用
にある。巨大な模型空間に対応して、有効相互作用の行列要素の数もまた膨大となる。
実験と対応し得る結果を与える有効相互作用を微視的な核力理論から導くことは、
核理論の究極的な理想であるが、現状ではいまだに成功していないため、実際には
何らかの現象論の助けが必要である。我々は、既知の実験的なエネルギーの情報に
基づいて微視的な有効相互作用を修正することにより、pf殻の原子核について幅広く
適用可能な有効相互作用を導き、安定核のみならず不安定核についてもその構造の
予言を行ったが、その結果が近年の実験により検証されつつある。以上の殻模型の
2つの制限に関わる問題について、将来の展望も含めてその詳細を議論したい。
本間氏のセミナー後、小沢氏(筑波大)から最新の実験結果についての報告をいただく予定。 |
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