物理セミナー

日時: 2011-11-17 16:00 - 17:00
場所: 4号館 345号室
会議名: Double Chooz実験によるニュートリノ振動解析の最新結果
連絡先: 中村勇
講演者: 川崎 健夫  (新潟大学)
講演言語: 日本語
URL: http://seminar.kek.jp/physics/index.html
アブストラクト: 原子炉ニュートリノ実験Double Choozによる最初のニュートリノ振動解析の結 果を報告する。 Double Chooz実験ではフランス・Chooz原子炉から1kmの距離に検出器を設置し、 高精度で反電子ニュートリノエネルギースペクトルを測定することによりニュー トリノ振動の研究を行う。2011年4月には検出器コミッショニングを完了し、 物理データの取得を開始した。 今回は約100日分の物理データを用いてニュートリノ振動解析を行った。観測 されたニュートリノ事象数およびエネルギースペクトルを用いた解析の結果、 反電子ニュートリノの欠損が確認された。この結果は、3つのニュートリノ混 合角のうち、唯一未測定だったθ13がゼロではない有限値を持ち、近距離での 原子炉ニュートリノ振動が存在することを示唆している。 さらに、今年6月に報告された加速器によるニュートリノビームを用いたT2K実 験による結果と、今回のDouble Chooz実験による結果を合わせることにより、 θ13が有限値を持つことが3シグマ以上の高い有意性で確認された。 この測定結果は、ニュートリノセクターにおけるCP対称性の破れの測定の可能 性を拓くものである。

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