理論コロキウム

日時: 2007-10-12 16:00 - 17:00
場所: 4号館3階輪講室1 (345号室)
会議名: 量子最速曲線
連絡先: 津田
講演者: 細谷暁夫  (東京工業大学)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 与えられた始状態から終状態へ最短時間で遷移させる量子操作を見いだすことは, 量子計算, あるいは量子デバイスの設計などで応用上重要であるのみならず, それ自体興味深い. 古典力学における最速降下線問題との類似で, 量子状態の状態変化の時間的最適化を変分問題として定式化する. そこでは、量子状態のみならず、ハミルトニアンも変分変数として扱われる。純粋状態の例として, 1ビットの簡単な場合を示す. 次に量子計算への応用を視野において, 与えられたユニタリ変換を最短時間で実行する問題を同様の方法で取り扱い、2ビットのハイゼンベルクモデルで例示する. さらに、マスター方程式に従う混合状態に拡張し、ユニタリー発展だけではなく測定あるいは環境系によるデコヒーレンスの効果も取り入れた最適化を問題にする。また進行形の研究として、ある程度の誤りを許す最適化についても述べる。この研究から量子空間における幾何学的描像の重要性が予感される.

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