日時: |
2008-01-09 14:00 - 15:00 |
場所: |
研究本館2階220室 |
会議名: |
Quantum kinetic theory of chiral condensate and meson excitations |
連絡先: |
津田 |
講演者: |
松尾 衛 氏 (東京大学) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
本研究の目的は、高エネルギー重イオン衝突実験における終状態の非平衡動力学をカイラル相転移と密接に関連させながら記述することである。
ここでは、QCDの低エネルギー有効理論として中間子場に関する線形σ模型を用いる。カイラル相転移をカイラル凝縮体(古典的平均場)と非凝縮体(量子揺らぎ)の混在・相互作用する系の非平衡過程と捉え、カイラル相転移の時空発展を量子論的な性質とともに記述するための、凝縮体の従う古典場の方程式と、非凝縮体の従う量子運動論の方程式を導出する。その後、平衡状態におけるギャップ方程式の解の振る舞い、および系の集団運動の量子論的性質を調べる。 本研究で提示する手法の特徴は、カイラル相転移の平衡系と非平衡系を統一的に扱える点にある。これは、大変複雑な非平衡現象である高エネルギー重イオン衝突実験からカイラル相転移の性質を引き出すために重要な特徴であると考えている。
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