日時: |
2010-06-28 14:00 - |
場所: |
研究本館3階322室 |
会議名: |
場のラグランジュ形式の幾何学とその応用について |
連絡先: |
佐々木、tsasaki AT post.kek.jp |
講演者: |
大塚隆巧 (お茶の水女子大学) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
通常,場のラグランジュ形式は,ジェット束と呼ばれる数学を用いて記述されています.しかし,この従来の定式化は十分な幾何学化であるとは言えません.独立変数の空間(底空間)と従属変数の空間(ファイバー空間)との明確な区別(ファイブレーション)があるからです.特に物理では,底空間を時空間に取りますが,時空の幾何学と,この場のラグランジュ形式の幾何学とは全く関係がありません.場のラグランジュ形式の幾何から,時空間の幾何構造までもが決まるという様なものが望まれます.
我々は,先に,有限次元のラグランジュ力学系が,独立変数である時間を配位空間に加えた拡大配位空間においてフィンスラー幾何学として定式化できることを用いて,ファインマンの経路積分の幾何学的な定式化を与えました.(Phys. Lett. A374)
同様に,場のラグランジュ形式も独立変数である時空間を場の配位空間に加え,場の拡大配位空間を考えることで,場のラグランジュ形式全体を河口幾何学として定式化することができます.河口幾何とは,フィンスラー幾何を高次元に拡張したものです.これによって,場のラグランジュ形式は,座標にも依存しない,共変的な理論になります.
セミナーでは,フィンスラー幾何および河口幾何のイントロからはじめ,場のラグランジュ形式の幾何学までをお話しさせて頂き,応用などに関して議論して頂きたいと思っております. |
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