理論セミナー

日時: 2010-12-07 14:00 - 15:00
場所: 3号館1階 会議室
会議名: ベービーユニバースによる自然性問題の解消
連絡先: 関野 恭弘、sekino-AT-post.kek.jp
講演者: 川合 光氏  (京都大学)
講演言語: 日本語
URL: http://research.kek.jp/group/www-theory/schedule.html
アブストラクト: 宇宙項がプランク質量(の4乗)に比べて100桁以上も小さいことは、宇宙項問題といわれ、古くからの謎である。これを自然に説明する試みの一つに Coleman による baby universe のメカニズムがあるが、残念ながら、Euclid 化された量子重力に特有の問題のため、そもそも何を予言しているのか等、よくわからない点が多い。ここでは、Minkowski の量子重力にもとづいて、multiverse の波動関数を考え、それが baby universe の存在によってどのような影響を受けるかを調べる。その結果、宇宙項の値が非常に小さい値をとる確率が、圧倒的に大きいことがわかり、宇宙項問題が自然に解消していることがわかる。また、同様のメカニズムにより、Higgs mass 等の自然性問題が解決できる可能性についても議論する。

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