日時: |
2013-06-14 11:00 - 12:00 |
場所: |
研究本館1階会議室3 |
会議名: |
量子演算子の弱値展開:量子測定による歴史の消去への応用 |
連絡先: |
森田 辰弥、moritat-AT-post.kek.jp |
講演者: |
全 卓樹 教授 (高知工科大学) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
ここ四半世紀、アハロノフの弱値 weak value という妖怪が、量子論界隈を徘徊してやむ事がなかった。「弱い測定 weak measurement」による実験的実現も得る一方、数多くの論文の中で時に神秘的な装いで現れるこの弱値概念であるが、しかしこれを通常の量子力学の形式の中でどう理解すればいいのか、多くの研究家が頭を悩ませてきたのも事実である。今回の話では、この量子的弱値を、ヒルベルト空間の直交系を用いたごく普通の量子論の定式化の枠組みに、どう位置づけるかを考えてみたい。ここで鍵となるのが「量子演算子を完全に記述する弱値の一式」という考え方である。さらにそのような一式を持ち出す利点を、「射影測定を行う時どのような場合に歴史を消せるか」という応用問題を取り上げて説明してみたい。
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