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北京でILCのカロリメータースクール開催

4月22−26日の5日間、北京のCCASTキャンパスで「国際リニアコライダー・カロリメータースクール」が開催された。これは、昨年の「タイム・プロジェクション・チェンバー(TPC)スクール」に続くもの。スクールの2人オーガナイザーの一人である清華大学教授の高原宁氏は「TPCスクールを成功裏に終えたことで、次はカロリメーターをテーマにスクールを実施しようということになりました。深い知識や理解力を必要とする国際会議に参加する前に、基礎を学ぶ機会を学生に提供することが目的です」と語る。
 清華大学、中国高等科学院(IHEP)、中国科学技術大学(USTC)等、中国各地からの大学生と大学院生約40名が参加。国際的に評価されているカロリメーターの専門家から学んだ。 今回のスクールの講義プログラムの計画をたてた仏線形加速器研究所(LAL)のカロリメーターの専門家であるRoman Poeschl氏は今回のスクールについて、「素粒子物理学にとって重要性であり、かつ、教養と熱意ある若者がいる国に来ることができるのは素晴らしいことです」と述べた。
 高氏は、次回はILC物理学をテーマにしたスクールの開催を検討しているという。しかし、問題となるのは予算の確保だ。「全ての参加学生の旅費、宿泊費をスクールで負担できるようにしたいと考えています」(高氏)。中国でのこのような講義シリーズは、ILC実験に関する定期的で高水準のスクールにむけた基盤となるものである。ILCプロジェクトの立ち上げが本格化すれば、こうしたスクールは必須のものとなるだろう。