News Asian Accelerator Plaza 日本語

「タンパク質結晶学研究施設」設立式典、台湾で開催

6月23日、台湾放射光施設(NSRRC)と国立成功大学が共同で建設を進めていた「タンパク質結晶学研究施設」の設立式典が、成功大学バイオテクノロジーセンターで開催された。台南の生物学研究コミュニティにとって重要な節目となるこの式典は、梁耕三NSRRC主任、賴明詔成功大学校長が主催。台湾中央研究院の王惠鈞副院長、国家科学委員会の張文昌副主委、大阪大学の月原富武教授らが出席した。


 タンパク質結晶学の研究は、シンクロトロン放射光を用いてタンパク質構造の謎を解明することにより、台南地域の生物学応用を推進することを目的とするもの。 NSRRSの先進シンクロトロンX線技術と、成功大学、および関連研究所、大学からの生命科学の専門知識が一体となることで、大量のタンパク質の純化、特性判定、結晶成長と構造解析を効率的に進めることが可能となる。同施設の設立は、関連研究所、大学の科学研究における競争力を強化することであろう。


「タンパク質結晶学研究施設」は今後、タンパク質処理のシステム化、タンパク質構造データバンクの整備や、国内、海外の研究所との生命科学分野における共同研究を推進していく予定。タンパク質構造解析の成果は、品種改良や病害の防御等、農業、漁業分野に貢献するとともに、新薬の開発や生体素子産業の振興により、医学分野でも役立つことが期待される。