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アジア連携加速器科学ワークショップ、北京で開催

12月22~23日、「アジア連携加速器科学ワークショップ(JAAWS:the Joint Asian Accelerator Workshop)が、北京の中国科学院高能物理研究所(IHEP)で開催された。このワークショップは、加速器科学の今後の展開と応用において、アジアとしての連携を図ることを目的としたもので、今回が初めての開催。社会的な認知を深めていくために、加速器科学がもたらす直接的な成果も最大限社会へ還元していくべきであるという共通認識がその根底にある。

加速器技術は基礎科学分野のみならず、放射光・中性子による物質・生命研究や、医療・産業応用に至る広範な分野での活用が進んでいるが、その将来的な発展に、世界の三極の一つとして、アジア諸国の連携は欠かすことができない。今回のワークショップは、インド、韓国、中国、日本、ロシアの5カ国から、主要研究所の所長と、各国を代表する加速器科学の専門家が一堂に会し、連携研究の可能性を探った。

今回議論されたのは、先端的加速器技術の開発研究、放射光など光・X線利用のための開発研究、中性子などハドロンビームを利用するための開発研究、医療・産業利用のための開発研究、放射線測定器システムの開発研究など5つの分野。アジア各国における加速器科学の展開、とりわけさまざまな量子ビームの応用に向けた開発研究のめざましい進展を互いに確認するとともに、それぞれの得意分野を組み合わせることで、経済と同様アジア地域の加速器科学/応用分野の飛躍的な発展が期待できるとの認識を共有できた。

今後は、持ち帰った情報を各国で検討を加えた後、5つの分科でそれぞれに会合を持ち具体的な連携のテーマを設定する。そして2010年中に開催される第二回のJAAWS(開催地未定)において、連携プロジェクト提案の総合報告/議論を深めることが予定されている。