「自然科学系アーカイブズ研究会」のご案内
標記の研究会はかねてより自然科学研究機構核融合科学研究所核融合アーカイブ室、高エネルギー加速器研究機構・史料室、国立科学博物館の企画で開催してきていましたが、昨年度はコロナ・ウィルスの蔓延のためその規模を縮小しオンライン開催で実施しました。今年度も残り少なくなりましたが、縮小した規模での研究会を開催したいと思います。ふたたびコロナ・ウィルスの感染のリスクが高まることが予想されますので、今回もオンラインでの開催にいたします。この災厄がいずれ下火となってまた皆様と直接対面しての研究会が持てるようになることを願っております。
さて、今回の企画は下記のようなものを用意いたしました。
あまり多くはありませんが空いている時間がいくらかありますので、なにか話題をお持ちの方がいらっしゃいましたらお申し出ください。
なお、追加の講演希望の受け付けは終了いたしました。
記
日時: | 2022年 2月22日(火曜日)13:00 ~ 18:00 |
場所: | オンライン(接続情報は追って参加者に連絡いたします) |
主催: |
核融合科学研究所 (NIFS)・一般共同研究(研究会)代表:高岩義信
「研究活動および学術政策にかかわる記録資料アーカイブズとその活用の
核融合科学研究所・核融合アーカイブ室
実際的課題の比較研究」 |
協力: |
高エネルギー加速器研究機構 (KEK)・史料室 国立科学博物館・理工学研究部 |
Web Page: |
https://www2.kek.jp/archives/symposium/22Feb2022/
(随時アップデートいたします)
|
参加申し込みについて
- 集会参加希望者は下記のメールアドレスにご連絡ください。
申し込みおよび問合せ連絡先 e-mail アドレス: mailto:KEKarchivesMtg@ml.post.kek.jp核融合研 (NIFS) ではなく高エネルギー加速器研究機構 (KEK) のアドレスであることに注意してください。
- その際に下記の事項をお教えください。なお、公開する参加者名簿に記載したくないことはその旨指示してください。
- 核融合研共同研究参加者の義務である研究倫理の遵守が要請されることをご理解ください。
プログラム
13:00
開会と接続テスト等
13:10
室賀 健夫
挨拶
核融合科学研究所 副所長
高岩義信
研究会の進め方について
13:20
高岩義信
KEK 史料室
「自然科学系研究機関の研究資料アーカイブズ施設等の活動を維持するために」
概要:
当研究会「自然科学系アーカイブズ研究会」を開催するようになってから10年以上経過するが、それを核となって支えてきた総研大および大学共同利用機関のアーカイブズ関連の施設の形態は微妙に変化してきている。またこの研究会に関心を持って参加する人が所属する施設等は各種の博物館や図書館、および(準)公的機関からプライベートな機関まで多様化している。これらの施設の維持はその形態によって様々な課題があるが、それを概観して整理をする。
13:50
久保伸
中部大学 工学部
「核融合アーカイブ室の目標と現状および課題」
概要:
核融合アーカイブ室は、「日本の核融合研究に関する史料を恒常的に調査、収集、整理及び保管し、また適切に研究者等に公開することを通じて、核融合研究に対する歴史的評価と社会に対する説明責任を果たすため」2005年1月に設置された。以来、日本の核融合研究黎明期から、核融合研究をリードされてきた方々の残された史料等を中心に収集・登録してきており、そのごく一部が 総合研究大学院大学「基盤連携資料情報共有化データベース」として公開されているものの、多くは未整理、未登録の状態である。それらを補うべく、オーラルヒストリーの手法に基づいたインタビューも行ってきた。しかし、収集・整理・登録の多くの作業は、遅々として進まないのが現状であり、研究所も転換期を迎える今、核融合アーカイブ室のあり方も見直しを迫られている
14:10
菊谷英司
KEK 史料室
「高エネルギー加速器研究機構・史料室の活動と運営について考えること」
(概要は用意しません)
14:30
前島正裕・河野洋人
国立科学博物館 理工学研究部
「博物館資料における研究記録資料の収集保存と研究活動への活用に向けた課題」
概要:
国立科学博物館の理工学研究部では、我国の科学や技術分野における歴史的機器や文献、科学者・技術者の手稿などを保存し、その一部を公開してきているが、これらは網羅的にまたは組織的に系統だって収集されてきたものではない。改めて科学・技術分野における資料の来歴とその特徴を示し、資料収集の現状における課題と活用に向けての課題を共有したい.
14:50
雨宮高久
日本大学 理工学部
「利用者として見たアーカイブ施設の科学史研究者にとっての価値」
概要:
本報告では、令和3年度核融合科学研究所共同研究「名古屋大学プラズマ研究所の創設に関わる歴史研究」の一環として行った核融合科学研究所・核融合アーカイブ室が所蔵する歴史的資料の分析と評価をもとに、アーカイブ機関と利用者の相互連携の重要性について言及する。また、発表者がこれまでに行ってきたアーカイブ機関所蔵史料に基づく科学史研究を踏まえて、「利用者」の観点から考えるアーカイブ機関の存在意義について検討する。
15:10-15:20
休憩
15:20
梅谷恵子
東京大学 工学・情報理工学図書館
「当館で新規に見つかった資料:データベース公開とそれを如何に利用につなげるか」
概要:
東京大学工学・情報理工学図書館が進める工学史料キュレーションデータベース
事業において、2021年度は8月に明治末期の舶用機関・機関車の青焼き設計図面
計252点、さらに11月から東京帝国大学工学部船舶工学科旧蔵資料として軍艦・
商船の写真類、戦艦設計に関連する文書を登録した。
現在は戦前の船舶工学科の授業関係の資料のデータを作成中である。
一方で今後の課題として、断片的に存在している資料、例えば戦艦の全体ではな くエンジンやボイラーの一部分のみの図面、一つの年度の授業全てではなく特定 の日時の講義ノート、といったものをどのように周知し、幅広い利用に繋げるか ということがある。
この課題に対する方法として、関連団体との情報共有、メタデータの作成内容の 工夫、ということを模索している。
これらのことを報告し、意見交換したいと考えている。
一方で今後の課題として、断片的に存在している資料、例えば戦艦の全体ではな くエンジンやボイラーの一部分のみの図面、一つの年度の授業全てではなく特定 の日時の講義ノート、といったものをどのように周知し、幅広い利用に繋げるか ということがある。
この課題に対する方法として、関連団体との情報共有、メタデータの作成内容の 工夫、ということを模索している。
これらのことを報告し、意見交換したいと考えている。
15:40
高橋慶太郎
熊本大学 先端科学研究部
「天文学者へのインタビューによるオーラルヒストリーの試み」
概要:
日本の天文学は第2次大戦後ほぼ何もないところから短期間のうちに復興し、現在では世界の第一線にいる。どのようにしてこのような復興が可能になったのか、研究者を取り巻く社会環境はどのように変遷してきたのか。これらを明らかにするために、大正から昭和初期生まれの天文学者に系統的にインタビューを実施し、その証言を残す活動を行なっている。
これまでの10年間で歴代の国立天文台長やプロジェクトのキーパーソンなど16人に対し合計94回のインタビューを行なってきており、その一部は天文月報に掲載している。本講演ではこの活動の紹介と、そこから明らかになってきた日本の天文学の現代史の概要について説明する。
16:00
菅野礼司
大阪市大 名誉教授
「森 一久氏に関する資料整理の経緯」
概要:森一久氏は終戦直前に湯川秀樹研究室で原子核物理を学んでいたが、帰省していた広島で被爆し、九死に一生を得て卒業後湯川の薦めで中央公論社に入社、科学雑誌「自然」の編集に従事し、原子力に関する情報を提供した。その後、原子力産業会議の立ち上げに参画し、安全を重視した原子力に対する政策提言を行っていたが、国や産業界の立場と相容れず同会議を去ることになった。その後も原子力平和利用のための研究、啓蒙活動を続け、「原子力とどう向き合うか」の探求に生涯をかけ、2010年2月に没する。翌年に発生した福島第一原発事故を受け、森氏が残した資料を残す意義を痛感し、関係者に声をかけ編集会を立ち上げ資料を整理した。講演ではこの資料整理の経緯を紹介する。
16:20
有賀暢迪
一橋大学 言語社会研究科
「科学者の個人文書はどこで保管されているのか:アメリカ物理学協会(AIP)のデータベースから」
概要:
アメリカ物理学協会(AIP)が提供する「国際資料目録(International Catalogue of Sources)」は、物理学に広い意味で関係する資料群のデータベースである。本報告ではこれに基づき、特にアメリカの場合について、科学者の個人文書がどのような機関で保管されているかを分析した結果を紹介する。
16:40
ディスカッションと追加のサブテーマ:
(サブテーマ:研究会または情報交換のミーティングの位置づけについて)
17:30
閉会