平成9年度技術交流会プログラム



2月12日(木)

13:00 技術部長挨拶        技術部長  三国 晃


13:10 12 GeV 陽子シンクロトロンのビーム位置検出器
      加速器第三課 電源係  荒川 大

 KEK の 12 GeV 陽子シンクロトロンでは現在、ニュートリノ振動の実験に向けて
ビーム強度の増強が最大の課題であるが、1979 年から従来使用してきたビーム位置
検出器の構造に起因する現象でビーム損失を起こしていることが近年明らかになった。
 そこで 1996 年に 56 台の検出器のうち 38 台を新規設計したビーム位置検出器
に置き換える加速器の大改造を行った。
 今回の技術交流会では 1996 年に設置した新型検出器の詳細について話しをする。


13:40 PS 実験のエレキハット紹介
      加速器第二課 加速器管理第四係  田中 伸晃

 人が生活していくに「住まい」が基盤であるように、実験データ収集においても
、実験者と電子機器類にとっての「住まい」であるエレキハットの出来不出来も、
実験成果をあげるうえで重要である。
 本交流会においては過去の使用例を紹介し、これまで以上の使いやすく安全で効
果的なエレキハット建設を目指し、今後の業務に活かしていくのが狙いである。


14:10 CsI カロリーメーターにおける技官の仕事
      測定器第六課 中間エネルギー実験設備係  山口 浩明

 最初に B ファクトリー実験、および  CsI カロリーメーターの説明。次に、その
中での技官の仕事や役割について紹介する。


14:40 KEKB CDC 読み出し用 Shaper/QT ボードの開発
      測定器第二課 衝突ビーム測定第一係  藤田 陽一

 KEK B ファクトリー Belle 測定器において、8,400 本のセンスワイヤー及び 
1,792 本のカソードストリップで構成される中央飛跡検出器(セントラル・ドリフ
ト・チェンバー CDC )の読み出しには、電荷時間変換技術を用いた新しい読み出し
方法が採用される予定である。
 本交流会においては、現在その実現に向けて開発中である Shaper/QT ボードにつ
いての紹介と今後の予定についての報告を行う。


15:10 〜〜〜〜〜 休憩(20分間)〜〜〜〜〜〜〜〜


15:30 SPARC ボードを使った DAQ の現状
      測定器第三課 電子回路技術班  井上 栄二

 SPARC ボードを使ってデータ収集をやる場合の一方法として、CAMAC、Unidaq を
使う例について話す。 この方法をとる場合、CAMAC、および Unidaq は現在どこま
で利用可能になっているかについて、主にオンライン・グループでの作業状況につ
いて紹介する。


16:00 中性子検出器システムのデータ処理
      測定器第六課 線源管理係  佐藤 節夫

 開発した中性子検出器システム、及びそのデータ処理について報告します。はじ
めに中性子実験の概要を、次に TA システム及び PSD システムの概要、そして最後
に将来計画について発表したいと思います。


16:30 終了

17:10 (懇親会)



2月13日(金)

13:00 HP VEE による PF リング真空度計測システム
      測定器第四課 高輝度光源係  野上 隆史

 PF リング高輝度化の改造に伴い、PF リング真空度計測システムを新システムに
移行した。新システムはリレーマルチプレクサとデジタルマルチメータを入れた 
VXI メインフレーム6台と、それを制御、計測するパソコンから成る。制御、計測
用のプログラムには HP VEE を使用している。計測した真空度のデータはネットワ
ーク上にある PF リングのステータスを一元保持しているサーバコンピュータに送
られる。


13:30 ビームラインBL−15Bの改造
      測定器第五課 実験管理第三係  佐藤 昌史

 放射光実験施設のビームライン(BLー15B)では、今年度からX線表面回折
実験が行えるように整備を行っている。この整備によって、新たにモノクロメータ
ー、ミラー、スリットなどの光学系が設置される事になる。今回の発表では、BL
ー15B改造の概要について報告する。


14:00 陽子加速器高周波加速装置の計算機制御
      加速器第一課 高周波技術係  戸田 信

 陽子加速器高周波加速装置の概要を紹介し、その計算機制御について述べる。ま
た、現在進めているブースタRFの計算機制御化、および、将来の計画について、簡
単に紹介する。


14:30 EPICS に基づく制御システムにおけるデバイス・アクセスのパフォー
マンス評価
      測定器第五課 実験管理第三係  小田切 淳一

 KEKB 制御システムにおいては、制御ソフトウェアのプラットフォームとして 
EPICS (Experimental Physics and Industrial Control System) が使用される。本
発表では、EPICS に基づく制御システムの概要を KEKB 制御システムを実例として
紹介した後、EPICS におけるデバイス・アクセスのパフォーマンス測定結果につい
て報告する。

15:00 終了