2006年度 技術交流会アブストラクト



[1]J-PARC MR及び3-50 BT用BPMの校正とインストール
橋本 義徳(加速器第一研究系)
J-PARC MR及び3-50 BTのBPM ヘッドの200有余台について,ネットワークアナライザを用いての50μ程度の精度での感度分布の計測,そして,加速器へのインストールとレーザートラッカーを用いての位置測量を行っている.また,計測系では,信号処理回路の評価,ケーブルの評価についての準備を進めている.これら一連の工程を技術的観点から報告する.
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[2]J-PARC MRのWCM開発
荒川 大(加速器第一研究系)
J-PARC加速器に設置するWall Current Monitorを現在開発中である。J-PARCではビーム電流が大きいため、WCMではシャント抵抗が発熱するという問題が生じたため、強制空冷することにした。KEK-PSとJ-PARC 50GeV-MRのWCMを比較対比させてWCMについて開発の現状報告を行なう。
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[3]荷電変換膜交換装置と観察装置の開発状況
武田 泰弘(加速器第一研究系)
J-PARCでは、線形加速器により加速されたH?ビームを3-GeVシンクロトロンの入射部に設置する炭素荷電変換膜でH+ビームに荷電変換する。荷電変換膜は入射ビームのみならず周回ビームにさらされるため、ビームによる発熱(1500K以上)ダメージにより変形や破損が起こる。このため、運転中でも荷電変換膜を常に観察できる荷電変換膜観察装置と、膜が変形や破損をした際に加速器の運転になるべく支障のないよう速やかに取り替える荷電変換膜交換装置の製作を行った。
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[4]J-PARC 2期計画&ILC計画のためのニオブ製9セル超伝導空洞のプリチューニングと性能測定
宍戸 寿郎(加速器第四研究系)
J-PARC 2期計画において400-600MeVの陽子加速に使用される予定の972MHzb=0.725ニオブ製9セル超伝導空洞が2台製作された。超伝導空洞では共振周波数を運転周波数に一致させ、かつビームを効率良く加速するために各セルに立つ電場の大きさを揃える必要がある。そのために行われるのがプリチューニングである。その後ILC計画でも超伝導空洞が用いられる事が決定し、1.3GHz TESLA形状改良型(STF Baseline cavity)9セル超伝導空洞が4台製作され同様にプリチューニングが行われた。本交流会では9セル超伝導空洞のプリチューニングから低温での高周波性能測定の結果までを発表します。
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[5]J-PARC LINAC DTL用四極電磁石の開発
吉野 一男(加速器第二研究系)
陽子加速器の低エネルギー部で使用するアルバレ型加速空洞(DTL)においては、その空洞内部に収束磁石を組み込む構造の為、大きさが制限されるので、従来の空洞では共振周波数が200MHzを超えると永久磁石で対応してきた。しかし、永久磁石では磁場強度の微調整や将来のビーム強度増強等に最適に対応できないので、小型の電磁石が望まれた。そこでJ-PARC 324MHz-linac DTL用収束磁石においては、磁石構造等 を見直し、特にコイルは機械加工と銅電鋳による新しい製作法で開発し、電磁石を小型化した。本交流会では、そのJ-PARC 324MHz-DTL用四極電磁石について発表する。
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[6]J-PARCニュートリノビームライン用超伝導電磁石システムクライオスタット自動溶接技術の開発
安島 泰雄(機械工学センター)
J-PARCニュートリノビームライン用超伝導磁石の圧力容器の縦継ぎ溶接部は、高圧ガス保安法の要請から、裏当て金無しの完全溶け込み溶接であることが求められている。溶接部にインサートリングを採用、さらに自動溶接機を併用することにより、圧力容器の課題であった、シェル縦継ぎ溶接技術を確立した。
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[7]東海短寿命核施設(TRIAC)のKEKチャージブリーダー
小柳津 充広(素核研)
高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構の共同研究として短寿命核ビーム加速実験装置、TRIAC(Tokai Radioactive Ion Accelerator Complex)が作られた。ここでは18GHz ECRチャージブリーダーを用いることによって、JAEA-ISOLイオン源より生成された1価の短寿命核イオンビームを多価イオンビームへ荷電変換し、後段加速器で加速している。施設の紹介と最近の成果について報告する。
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[8]電気部品およびOリングのガス放出速度測定
久保 富夫(加速器第一研究系)
真空中で使用する機器を設計する上で使用材料として候補に上がった材料について、ガス放出速度が未知の場合には、それを知るための測定を行っている。機器設計担当者からの測定依頼による電気部品として、列形コネクタ、マイクロスイッチ、コンデンサ、抵抗器、無機同軸ケーブル、および誘電体を測定した。また、真空シール材としてエラストマーOリングを測定した。これらのガス放出速度データを報告する。
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[9]マイクロチャンネル分光結晶の開発
内田 佳伯(物構研PF)
PFマルチポールビームラインBL16Aの従来の分光結晶では放射光のおける熱問題等が十分に解決されていなかったためビームラインの性能を引き出しきれていない問題が生じていた。そこでマイクロチャンネル分光結晶を開発し、熱問題等を解決することによりビームラインの性能を引き出すことが可能となった。交流会では分光結晶とは何か、従来の結晶の問題点、マイクロチャンネル結晶での改良点等を紹介する。
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[10]PFビームライン制御標準化の進行状況
小菅 隆(物構研PF)
PFではビームラインの制御システム標準化に関するプロジェクトが2005年に開始され、2006年には標準のソフトウエアとして採用されたSTARS(Simple Transmission and Retrieval System)のビームラインへの導入が進行した。現在も標準化のためのソフトウエア開発、ビームラインへの導入は進行中であり、ここではこれらの進行状況について報告する。
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[11]粒子検出器読み出し用 ASIC の開発
藤田 陽一(素核研エレクトロニクスシステム)
高エネルギー物理学実験において、多チャンネル・低消費電力もしくは多機能が要求される読み出しシステムでは特定用途型集積回路 (ASIC) の開発が必須となる。一方、既存の計測用回路モジュールにおいて主要部品に ASIC が使用されているものについては、メーカーによるサポートの打ち切りや製造中止により、故障があっても修理不可といった事態も起こっている。現在そして将来の実験遂行のために欠かせない技術の一つである検出器読み出し用 ASIC 開発の実際について紹介を行う予定である。