Internship つくば

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超伝導を支える技術
~ヘリウムを液化する~

超伝導低温工学センターでは、キャンパス内で行われる超伝導装置の開発や極低温実験で使われる液体ヘリウムの製造、供給と、加速器用超伝導電磁石の開発試験を行なっています。
ヘリウムは産出量の少ない希少資源であり、KEKでは冷却に使用したヘリウムを回収し再度液化して使用する循環利用を行なっています。
この体験コースでは、ガス設備の設計図である「フロー図」の読み描き体験を実際の設備を教材に行います。
また、液体窒素を用いた極低温冷媒の取り扱い体験も予定しています。

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バックグラウンドとしての環境放射能を知る
~様々な検出器を用いた自然界にある放射能の
測定~

放射線科学センターでは加速器の運転に伴って発生する放射線や放射能を測定、管理する事が業務の柱の一つとなっています。
しかし放射能は自然界にも存在しており、絶えず放射線を出し続けているためこれらを理解しないと測定器で検出した放射線が天然由来のものなのか加速器由来の物かわかりません。
自然界に存在する放射能を環境放射能と言いますが、これらを測定、監視する事も重要な業務となっています。
放射線の測定機には様々な種類が有り、用途や場面によって組合せたり使い分けたりしますが環境放射能の測定でも複数の測定器が使われます。
実習では測定器や測定方法を変えて環境放射能測定を行ってもらい、自然にある放射能について学んでいただきます。

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加速器内部の超高真空を測る技術
~大気圧の10兆分の1の圧力を正しく測ろう~

電子や陽子などの加速器では,高エネルギーのビームが通過する金属パイプの中を10-8 Pa程度の超高真空に保っています。 実に大気圧の10兆分の1の圧力です。
この超高真空を維持しておかなければ,せっかく打ち込んだビームが気体分子に散乱されて短時間で失われてしまうからです。 すなわち,加速器を長時間安定に運転するには,良好な超高真空を実現し,常に正確な状況を把握しておくことが大切です。
加速器ではこの極めて低い圧力を精度よく測定するために電離真空計を用いています。 希薄な気体中の分子をイオン化して,その微小電流を測る方式の真空計です。 本コースでは,電離真空計の動作原理や特徴を学び,実習として実際にフォトンファクトリーで採用している熱陰極電離真空計の校正方法を習得します。

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世界最先端の実験を支える加工技術体験

KEKで使用される実験機器や装置は日々高性能化に向け進歩しています。
機械工学センターでは基盤技術となる加工,設計,計測,メカトロニクス,材料等の機械工学分野で研究者と一緒になって、世界最先端の実験を支える実験機器や加速器部品などの製作技術の構築や研究開発をおこなっています。
本コースでは実験機器や加速器部品などの製作技術を体験することで、機械工学センターの活動を理解することができます。

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クライストロン用高電圧パルス電源の
運転実習

電子陽電子入射器は、KEKつくばキャンパスにある主なリング型加速器のすべてに電子ビーム・陽電子ビームを供給しており、長さは700mで世界最大級、またどのリング型加速器よりも長時間運転している働きものの加速器です。
入射器には約60台のクライストロン(マイクロ波増幅用電子管)と高電圧パルス電源があり、パルス状のビームを加速します。
このコースでは入射器の概要を聞き、高電圧パルス電源の運転とシミュレーションを実習します。

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大電力高周波技術
~メガワット級の高周波電力を発生、
伝送する技術を学ぶ~

粒子加速器の多くは交流電場を用いた方式で粒子にエネルギーを与えることで、その運動を制御します。一般に高周波と言われる帯域が使用されます。
SuperKEKB加速器では、周波数509 MHzを採用、加速器の特徴として連続波かつ最大1.2 MWを出力する高周波源を使用します。
本実習では、その高周波源の基礎を学ぶと共に、加速空洞に至るまでの伝送系の電気的特性を測定することで、高周波回路の特性を理解します。

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粒子加速装置とは?
~その特性をマイクロ波で解き明かす~

SuperKEKBの粒子加速装置「アレス空洞」。
マイクロ波加速を採用し、大電力マイクロ波により共振的に励起される強い電場で荷電粒子を加速します。
マイクロ波が励起する電磁場には様々なモードが有り、加速装置の特性はその電磁場モードで決まります。
本実習では特殊な計測機器を使って電磁場モードを観測し加速装置の特性を理解します。

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物理学を支える素核研技術職員の
技術体験
~素粒子、原子核、宇宙
(ミクロからマクロまで)~

素粒子原子核研究所では、物質を構成する素粒子や原子核、それらに働く力の性質を明らかにすることで、私たちを取り巻く宇宙を支配している法則の解明など「根源的な謎」に挑む研究所です。
そこでは新しい技術を導入した実験手法やそれに伴う観測装置の開発が不可欠です。
実験装置を完成させるために技術職員は自身の技術やアイデアを駆使してプロジェクトを支えています。
素核研には「クライオジェニック・グループ」「エレクトロニクス・グループ」「一次陽子ビームライン・グループ」「メカニカルエンジニアリング・グループ」の4つの技術グループがあります。
今回の素核研インターンシップでは“インターンシップのために用意した体験実習”では無く“、4つの技術グループの現在行っている業務をできるだけライブで体験”出来るような形にしたいと思っています。

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加速器真空技術
~Super KEKBを例にして~

KEKB加速器の後継機としてSuperKEKB加速器が建設され、現在本格的な衝突実験が開始されています。
私たち真空グループは、SuperKEKB加速器の真空に関係する仕事を行っています。
そして実際にSuperKEKB加速器トンネル内にインストール予定である真空ダクトを使用して、組付けからベーキングまでの真空作業を行っていただきます。