理系の大学における女性の学生比率は現在でも決して高くはありません。
理系選択をした女子学生が、大学、大学院でのびのびと実力を発揮し、キャリアを形成していくにはどういう課題があるでしょうか。また、高校、中学における「理科離れ」の問題も指摘されています。より幅広い層を対象に科学の楽しさを伝えていくにはどうしたらいいでしょうか。
本講演会では、学生、教員および、広く理系教育関係者や、理系進学の希望をもつお子様をもつ保護者の方を対象として、東京大学理学系研究科教授で、理学系研究科男女共同参画委員長の佐藤薫先生に主に大学入学以降の女性の教育とキャリア形成上の課題についてお話いただきます。
また、米国スタンフォード大学のHelen Quinn 名誉教授に、米国科学アカデミーによってまとめられた、 高校までの科学教育の改革の試みについてうかがいます。
佐藤 薫(東京大学大学院理学系研究科 教授)
『東大理学部における男女共同参画への取り組み-女性が自分らしく勉強・研究するために』
ヘレン・クイン(米国SLAC 国立加速器研究所 名誉教授)
『Science for the Next Generation 』 * 講演は英語ですが日本語のスライドを用意します
日時 |
2014年4月8日(火)15時-17時 |
場所 |
小柴ホール 東京大学本郷キャンパス 理学部一号館2階
東京都文京区本郷7-3-1
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→アクセス案内はこちら
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対象 |
研究者・大学生・大学院生・女子中高生の保護者をはじめとする一般の皆様
(どなた様の来聴も歓迎します) |
定員 |
150名(先着順:定員に達した時点で申込を締め切ります) |
参加費 |
無料 |
受付期間 |
定員に達しましたので、締め切りました(4/4 12:00)
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講演会ポスター(PDF 1.04MB)
【講演会資料】Science for the Next Generation (PDF 603KB)
佐藤 薫 教授
経歴
1984年東京大学理学部卒、1991年京都大学理学研究科博士課程修了、理学博士。京都大学助手、国立極地研究所助教授等を経て、2005年より現職。専門は気象学。大気大循環・大気波動をキーワードとした力学理論やデータ解析による基礎研究のほか、昭和基地に世界初の南極大型大気レーダーを実現するなど観測研究も推進。1998年日本気象学会賞。2011年度東京大学総長補佐。2012~2013年度東京大学理学系研究科男女共同参画委員長。
講演概要
東大理学部・理学系研究科での学生の女性比率は、学科・専攻によってばらつきがあるものの、全体では学部が約10%。大学院が15%強です。この数値は、ここ十数年あまり変わっていません。少数ながらも女子学生たちは生き生きと学習、 研究活動を行っていますが、女性の視点からよりよい環境にしていき、女性の割合を増やしていくために、大学では様々な取り組みが行われています。その概要をご紹介します。
ヘレン・クイン 教授
経歴
1967年にスタンフォード大学で学位を取得、素粒子の力を統一的に説明する大統一理論や1977年に提唱した PecceiーQuinn 対称性の提唱によって、2000年に Dirac Medal (ICTP)2013 年には JJ. Sakurai Prize を受賞、米科学アカデミー会員、アメリカ物理学会 会長(2004)科学教育の発展に尽力し、米科学アカデミーの科学教育委員会(Board of Sciecne Educationで大学入学までの科学教育の標準となるA Framework for K-12 Sciece Education をまとめている。
講演概要
I will talk about the context and the content of a plan to improve science education for all students in elementary and secondary school.Why is change needed?What are the practical and political barriers to change? What gives me hope that change can occur and is occurring? I will highlight the role of the Board on Science Education of the National Academy of Sciences in this process, and stress why I think this change is important for bringing more and more varied students into science, where currently women and minorities are very much under-represented, especially in the physical sciences. I will also discuss the implications of this work for the teaching of science at the undergraduate level.
本講演ではアメリカの初等中等教育における全ての生徒の科学教育を向上させる試みの背景と内容について説明します。なぜ変化が必要なのでしょうか。またその変化をさまたげる、実際的あるいは政治的な障害は何でしょうか。それでも私たちが変化をおこすことが可能で、かつ実際におこっているという希望をもっているのはどうしてでしょうか。米国科学アカデミーの科学教育改革への取り組みについてお話するとともに、現状では過小評価されている女性やマイノリティーなど、より多くの生徒を科学の世界に引き込むために、変革が重要であると私が思う理由についてお話します。またこのレポートが学部における科学教育に示唆することについてもお話します。