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KEK

#08 高速光応答材料における動的機能性の可視化

プロジェクトリーダー:
野澤 俊介

本プロジェクトでは、光触媒材料や高速光スイッチング材料等の高速光応答材料についてその機能性が発現していく過程を、量子ビームを用いて可視化することを試みます。例えば、光触媒反応を用いた人工光合成システムでは、単純な1電子変換によって⊿Eを取り出す太陽電池と比べ、分離した複数の電子を元に戻すことなく物質変換に利用します。従って、効率が優れた系を設計するには、触媒反応が進行するピコ〜ナノ秒において、電子状態・構造の可視化や、光キャリア経路の追跡等が必要不可欠です。また、光が当たった部分が起点となり、ドミノ倒しのように結晶構造や磁性などが広範囲にわたって変化する光誘起相転移においては、高速かつ多様な物性制御性を持った材料を設計するために、物性発現の起源となる長距離秩序構造(格子・電荷・スピン)が光励起直後に変化していく過程を可視化することが重要です。

本プロジェクトにおいて、光触媒反応については、放射光を用いたピコ秒軟/硬XAFSによって、光励起状態の可視化(電子状態・構造)を実施することで高性能な光触媒材料の創生を目指し、低速陽電子を用いて各結晶面における吸着原子構造の違いを可視化することで、触媒活性度や反応選択性の設計指針を与えることを目指します。また、光誘起相転移現象については、中性子も用いてターゲットとする非平衡強相関系物質の定常状態における詳細なキャラクタリゼーションを行い、放射光を用いたピコ秒軟/硬X線回折測定によって光誘起相の格子・電荷・スピン構造を可視化して機能発現機構を明らかにし、低速陽電子を用いて光誘起相の表面構造を可視化し光機能性への寄与について明らかにすることを試みます。

主要メンバー (KEK物構研)

野澤 俊介,深谷 亮,金澤 知器,春木 理恵

連携メンバー

前田 和彦(東工大)
足立 純一,中尾 裕則(KEK物構研)
田端 千紘,阿部 竜(京大)
山崎 裕一(NIMS)
藤岡 淳(筑波大)
木村 宏之(東北大)
工藤 昭彦(東理大)

主な手法

測定手法の基盤技術:量子ビームとレーザーを用いたpump-probe測定
時間分解X線測定(TR-XAFS,TR-XRD)
時間分解低速陽電子測定(TR-HEPD)
非弾性中性子散乱

本プロジェクトが目指す、マルチ量子ビーム計測を用いた動的機能性の可視化