CIQuS 量子ビーム連携研究センター

KEK

#11 量子ビームを用いた食品科学(QBFS, Quantum Beam Food Science)

プロジェクトリーダー
山田 悟史、阿部 仁

食品科学は広く食品に纏わるあらゆる科学が対象で、その基礎学理も幅広い分野にまたがっています。食品中の物質1つ1つを精密に調べる研究もあれば、消費者が食品を摂取する際の美味しさ等の嗜好性の研究もあり、その対象はnmオーダーからcmオーダーまで、マルチスケールに階層をなしています。また、食品の消化吸収や加工は非平衡過程を含み、実験観測を難しくしています。そんな中、これらの問題を解決する手法として量子ビームを利用した食品科学研究が注目を集めています。例えば、中性子実験では重水素化により特定部位をラベリングすることが可能ですし、硬X線XAFSを用いることで特定の元素を選択的に観察することが可能です。また、微小ビームを用いることで特定の位置における局所構造を観察したり、反射率法を用いることで界面の情報のみを抽出したりと、量子ビームの種類だけでなく、手法を変えることによっても、得たい情報を「選択的に」取得することが可能になります。

そこで本プロジェクトでは、広く食品科学について、 (1)中性子反射率法を用いた固液界面の構造解析、(2)X線及び中性子小角散乱を用いた構造解析、 (3)硬X線XAFSを用いた比較的重い元素の非破壊化学状態分析及び顕微分光、 をはじめとした種々の量子ビームと実験手法を組み合わせることによって、伝統的な食品科学の未解決課題へ取り組んでいきます。また、このようにして得られた多面的な実験結果は、様々な背景を持つ研究者が互いの知見を共有しながらたくさんの「?」に取り組むことにより、新しい食品科学フロンティアの創成を進めていきます。

主要メンバー(KEK物構研)

山田 悟史,阿部 仁,清水 伸隆,高木 秀彰,大下 宏美,瀬戸 秀紀

連携メンバー

上野 聡(広島大)
大沼 正人(北大)
川端 庸平(酪農学園大学)
高妻 孝光(茨城大)
佐藤 信浩(京大)
武仲 能子(産総研)
中川 洋 (JAEA)
根本 文也(防衛大)
星川 晃範(茨城大)
松葉 豪(山形大)

主な手法

中性子反射率(NR),X線/中性子小角散乱(SAXS/SANS),硬X線XAFS

チョコレートのRheo-NR
ほうれん草のXAFS