ミュオン科学研究系活動報告2015-2016(12~1月)

2016年 2月

◤ J-PARC MUSE施設整備状況

 Dラインではこれまで可能な限り多くのミュオンを効率よく引き出すことを目指してビームラインの調整を重ね、大強度ミュオンビームをユーザー実験に供してきた。昨今の一次ビームラインの増強も手伝って、ミュオンの「量」についての要求は満足されつつあるが、これに代わりビームの「質」に対する要求が高まっている。これを受けて、D1 コミッショニングチームではより先鋭化された良質なビームを取り出すことを目指して、新たに開発したビームモニタと自動チューニングプログラムを駆使してビームラインの再調整を行った。
 図1・2 にDライン再調整前・後のD1 エリアにおけるミュオンビームプロファイルを示す。再調整前のビームスポットは内径φ40 mm のコリメータにより削り出された形をしている。このときコリメータ内壁には少なからずミュオンが止まり、μSR 測定における主要なノイズ源になっていた。これに対し再調整後のビームスポットはφ40 mm よりも小さく、ミュオンビームはコリメータをほぼ素通りしていることが分かる。この調整によりコリメータに由来するノイズは確かに著しく減少した。

 

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 図1:Dライン再調整前のミュオンビームプロファイル。ビームスポットサイズはコリメータの内径(φ40 mm)で決まっている。 [拡大図(143KB)

 

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 図2:Dライン再調整後のミュオンビームプロファイル。ビームスポットはコリメータの内径(φ40 mm)よりも小さい。 [拡大図(635KB)

 

 

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