2016年 4月
1. 装置整備・開発等
ミュオン回転標的は標的位置のビームプロファイルを計測するため、また標的故障時にビームラインより退避できるように上下駆動を行う事が出来る。3月16日18時頃、利用運転再開前のビーム調整時に標的位置からモニタ位置に上方向に駆動を試みたところ、モータートルク異常で停止した。現場にて再駆動してみると目的の位置まで移動することが出来たため、運転を再開した。トルク推移のログを検証したところ、駆動用のボールねじ、リニアブッシュの駆動抵抗が大きくなっていると推測出来た。そのため3月23日の短期保守期間にビームラインのメンテナンスエリアであるM2トンネル内に入域して抵抗の大きくなっていたボールねじの一部にグリスアップを行った。グリスアップ後は駆動抵抗が小さくなりモータートルクもインターロック閾値よりも十分、小さくなった。以後、経過を注意深く観察しながら利用運転を継続する。問題が無ければ、夏期長期保守期間に、全面的な保守作業を行う。