2017年 9月
現在建設中のミュオンH ラインは高統計を要する基礎物理実験や透過型ミュオン顕微鏡などの実験が計画されている大強度ミュオンビームラインである。すでに大口径キャプチャソレノイドなどのフロントエンド部の磁石および実験エリアまでの遮蔽体の設置は完了しているが、ビームラインに必要とされる電力はキャプチャソレノイドだけでも約5MW に
達し、MLF 既存の受電設備では賄えない。そこで現在、MLF 外部にH ラインのための新たな受電ヤードの建設を進めている。
2017 年度前期のビームタイム終了後、7 月からH ライン用の屋外受電ヤードの建設工事(図1)が開始された。9 月末までのビーム停止期間中に電源ライン引き込み工事の前段階
としてMLF 外壁に1m×1.5m の開口(ビームタイム中は鉄板で塞ぐ)の設置工事を行い(図2)、10 月以降に屋外受電ヤードの架台を建設する。8 月末までにMLF 外壁の一部解体作業は完了し(図3、4)、現在は開口を成形するためのコンクリート打設の準備を進めている。