2019年 3月 12日
【 回転駆動系状況 】
2018年9月に判明したカップリング不具合は、監視系の向上や停止時の影響を評価した後に陽子ビーム強度500 kWで運転を継続している。現在のところ予兆と考えているトルクの変動も無く運転を継続している。
【 標的交換時のトリチウム放出量評価 】
標的交換時のトリチウム放出量を、使用済み固定標的、スクレーパの保管容器内部を大気置換する事によって評価している。トリチウムは大気中の水分による同位体交換で放出されるが、交換に必要な時間である48時間程度で放出されるトリチウム量は十分に小さい事が分かった。また、黒鉛からの放出よりもステンレス遮蔽体からの放出が支配的であると推測され、大気置換を複数回繰り返せば、大幅に放出量を減らすことが出来る事が明らかになった。(図1)
【 In-situ標的温度計測手法の開発 】
回転標的は熱電対のような手法で直接、温度計測をすることは出来ないため、反応速度の速い温度計測をすることは出来ない。そのため12 m上流のポンプ位置より耐放射線性の赤外線カメラによってIn-situ温度計測をすることを検討している。実現することが出来れば信頼度の高い安全監視系を構築することが出来る。製造工場にて実際に設置を行う真空ダクト、観察窓を通して赤外線カメラによって加熱中の標的模擬体の温度を計測できることが確認できた。(図2、3)
2019年度の長期保守期間に導入する計画である。