ミュオン科学研究系活動報告2020(12月)

2020年 12月 10日

◤ J-PARC MUSE施設整備状況

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図1:サーチコイルを用いたサイクロトロン磁場測定 [拡大図(266KB)

Uライン:ミュオンサイクロトロン磁場測定・シミング

 UラインU1Bエリアにおいて計画されている透過型ミュオン顕微鏡プロジェクトにおいて、超低速ミュオンを5 MeVまで再加速するための小型AVFサイクロトロンの開発を進めている。顕微鏡として必要な性能を得るためには、再加速されたミュオンビームのエネルギー分散をΔE/E=O(10-5)に抑制し収束時の色収差をなくす必要がある。これはサイクロトロンにおける等時性条件を厳密に合わせることを要求し、つまりサイクロトロン周波数を決める磁場を高精度(ΔB/B=10-4)に測定しシミングによって調整しなければならない。
 なお、本AVFサイクロトロン内では場所によって磁場が0.15~0.55T の範囲で変動し、非一様な磁場を広いダイナミックレンジで高精度に測定する必要がある。そこで我々はKEK加速器の染谷宏彦氏のご協力のもと、サーチコイルを用いて2020年12月に磁場測定を行い、理研仁科センターの大西純一氏・後藤彰氏らとともにシミングによる磁場調整を進めている。すでに大凡必要な性能が得られているが、さらに微調整を行い高精度化する予定である。

 

 

 

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