2021年 1月 14日
5T超伝導電磁石分光器の開発
高磁場下でのµSR試料測定を実現するために5T超伝導電磁石を用いた分光器の開発が進んでいる。シンチレーションファイバーとSiPMそれぞれ3,008個から構成される検出器は電磁石内部に放射状に配置されている。図1はシミュレーションによる高磁場下の陽電子軌道と検出器の様子を表したものである。去年度には電磁石の励磁試験を行い、今年度は分光器に設置された陽電子検出器のビーム試験を行っており、図2に実際に行われたビーム試験の様子を示す。ビーム試験では検出器の動作確認と閾値や電圧設定の調整が行われている。図3は閾値調整前の時間スペクトルであり、ミュオンの崩壊時間スペクトルが観測された。この後、得られた実験データとGeant4シミュレーションの結果を比較することにより分光器の性能評価を進める計画である。