2021年 5月 11日
研究開発の状況
MLF Uライン(超低速ミュオンビームライン)では、ミュオニウム共鳴イオン化に必須な真空紫外レーザーの大規模なアップグレードを実施している。レーザーシステムの出力増強のためNd:YSAG大口径セラミック結晶を搭載した増幅器を追加した。セラミック結晶は内部に不均一な屈折率分布が残留しているが、システム内に波面補償器を導入することで品質の良いビームプロファイルを維持したまま従来の最大2.4倍の強度が得られている。現在波長変換による真空紫外光発生効率の最適化と安定出力確保のための調整を行っている。このアップグレードによって最低でも2〜3倍以上の超低速ミュオンビーム強度が得られる予定である。