ミュオン科学研究系活動報告2022(6月)

2022年 6月 20日

◤ J-PARC MUSE施設整備状況

μ-e転換過程探索実験(DeeMe)

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図1:H1エリアに設置された DeeMe 実験用磁気スペクトロメータ [拡大図(606KB)

 ミュオンHラインにおける初のユーザー実験として、ミュオン電子転換過程の探索実験(DeeMe 実験)が開始した。ミュオン電子転換過程は素粒子物理学の標準理論の枠内では 原則的に禁止されており、極めて稀にしか起こりえない事象であるため、本実験で観測された場合は標準理論を超える物理の存在を意味する。 DeeMe 実験では、グラファイトのミュオン生成標的内でミュオン電子転換過程が起こった場合に、Hラインで転換電子を捕獲・輸送し、実験エリア(H1エリア)に設置した磁気スペクトロメータによって単色 105 MeV/c の運動量を持つ転換電子を 検出する。ユーザー側が準備する装置としては実験エリア内に設置する磁気スペクトロメータのみで良いというメリットがある。
 5月からHライン第一分岐(H1エリア)にて 磁気スペクトロメータのセットアップを開始し、双極電磁石(PACMAN電磁石)の励磁試験・粒子 検出器 MWPC の動作確認を行った。 図1にH1エリアに設置された磁気スペクトロメータの写真を示す。 ミュオン電子転換過程の探索 は 6/17 から開始予定である。


 

 

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