ミュオン科学研究系活動報告2023(12月)

2023年 12月 14日

◤ J-PARC MUSE施設整備状況

ミュオンHラインの最近の進展

 ミュオンHライン第一分岐(H1エリア)にて、ミュオニウム超微細構造の精密測定実験の準備が進められている。本研究では、超伝導MRIマグネットを用いて1.7Tの強磁場をミュオニウムに印加し、ゼーマン分裂したエネルギー準位をマイクロ波分光することにより、高精度でミュオニウムの超微細構造を測定する。2023年11月末にKEK低温センターの協力の下、超伝導MRIマグネットをニュートリノ第1設備棟(NU1)から物質生命科学実験施設(MLF)へ輸送し、H1エリアにおいて冷却運転中である(図1)。現在、実験グループにより検出器等のセットアップが進められている。


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図1:H1エリアにインストールされた超伝導MRIマグネット


 また、ミュオンHライン第二分岐(H2エリア)に関しては、ミュオンg-2/EDM実験や透過型ミュオン顕微鏡でミュオンを加速するためのRF電源等を設置する電源ヤードの建設が進められた。J-PARCの夏季シャットダウン期間中に電源ヤードの鉄骨架台の組立が完了した(図2)。今年度中に、RF電源ヤード下部に超低速ミュオン生成のためのレーザールームの整備およびRF電源ヤード床面の設置を計画している。


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図2:ミュオン加速器用RF電源ヤードの鉄骨架台(赤枠部)がH2エリア横に組立てられた

 

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