2024年 10月 9日
ミュオン顕微鏡キックオフ研究会の開催
ミュオン科学研究系では、本年度に採択された科研費基盤研究(S)「パワー素子と生体内部の電磁場分布を可視化する透過型ミュオン顕微鏡」(代表:永谷幸則, 2024-2028)のキックオフ研究会を、2024年 8月29日~30日の日程でKEK 東海1号館において開催した。本研究会では、ミュオン顕微鏡の基礎原理や技術、全く新しい手法であるミュオン顕微鏡の開発が開始するに至る経緯とその後の経過、超低速ミュオンを加速しミュオンビームに透過能を付与するためのミュオンサイクロトロンの原理・構造と開発の経緯、Uライン/Hラインの開発状況、ミュオン顕微鏡の電磁場可視可能の応用としてパワー半導体素子の観察で期待できること、従来の電子顕微鏡による観察からの発展として生体・生物観察でミュオン顕微鏡に期待できること、さらなる将来展望として量子情報技術の応用による低被曝の量子
増強イメージングなどが、10名の演者により議論・検討された。当日は台風10号の影響で新幹線が運休するなどし、複数の出席予定者が来所できなくなる状況であったが、現地参加28名、ZOOM参加8名を迎え、ミュオン顕微鏡の開発と応用に向けた活発な議論が展
開された。
また、最終日には、科研費基盤研究(S)「高輝度ミュオンマイクロビームによる透過型ミュオン顕微鏡イメージング」(代表:三宅康博、2017-2021)により、MLFのU1Bエリアで開発が進められてきた加速器「5 MeVミュオンサイクロトロン」の完成を記念したお披露
目会が開催された。